6日の河北新報朝刊の1面にデカデカと掲載されたのが、
「外来植物『マルバフジバカマ』が急拡大」というものでした。
以下、河北新報オンラインニュースの一部です。
岩手県大船渡市で、国から生態系被害防止外来種に指定されている植物マルバフジバカマ
が急速に広がっている。繁殖する地域にはシカが多く生息する。マルバフジバカマはシカ
が食べない植物であることから、一気に増えたとみられる。専門家は「生態系に悪影響が
出る恐れがある」として早期駆除の必要性を訴える。(大船渡支局・田柳暁)
ちょうど先週秋の七草でフジバカマが絶滅危惧種という話をしたばかりのタイミングで、
似たような名前ではあるけれど、外来種で猛威を振るっているマルバフジバカマの話。
森林インストラクターとしては、放っておけない記事でした。
マルバフジバカマは北米原産。毒があるため鹿が食べません。
ところが鹿がいっぱい増えた大船渡地域では、毒のない葉っぱはことごとく食べてしまう。
そうすると、マルバフジバカマにとってみると、競争相手不在のとてもいい環境が
得られるわけで、悠々繁茂していく、という構図です。
こちらがフジバカマ。
こちらがマルバフジバカマ。言われてみるとよく見かける植物です。
外来種によって、日本固有の生態系が脅かされている事例は枚挙にいとまがありません。
中でも特に注意を要するものは、特定外来生物と呼ばれ、飼育や栽培が禁止されています。
セイタカアワダチソウはずいぶん前から繁茂し尽していますが、アレチウリはそれよりは
すこし後な印象です。仙台界隈でも最近特に目立ってきています。
これがアレチウリ。
鳥では、ガビチョウがここ数年、一気に増えました。大音量で鳴きわめいています。
生き物だけに適正な管理といっても難しいですが、持ち込まないようにするのは重要です。