2026年度の上杉文華館は「西からの手紙」と題して、国宝「上杉家文書」などを展示します。
書状は一定の規則に則って書かれました。このような規則を書札礼 しょさつれい といい、差出人と受取人の関係が反映されていました。それをまとめた書札礼書も作られました。そこ には差出者の社会的地位に応じた規範が示されています。その適用は厳密であり、ゆえに実際の書状の書き方から両者の関係を知ることもできます。
2023年度コレクション展および2025年度上杉文華館では戦国時代の上杉氏に主に東国の領主から送られた書状を、2025年度コレクション展では上杉謙信や景勝、その 家臣らが発給した書状について、書札礼や使用された料紙などについて検討し、展示しました。
2026年度の上杉文華館では、戦国時代に京都やその周辺、中国地方など、越後より西の地域の大名や領主から長尾上杉氏に送られた書状を対象に、書札礼や使用された 紙などについて検討し、展示していきます。東国の領主や上杉氏との相違なども意識しながら、その特徴などを明らかにしていきます。
第2回《室町幕府将軍(2)足利義輝》
【展示期間】4月23日(木)~5月26日(火)
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第2回目は、室町幕府13代将軍足利義輝 よしてる (在位天文 てんぶん 15年・1546~永禄 えいろく 8年・1565)と、その側近大館晴光 おおだちはるみつ の文書をとりあげ、料紙の使われ方や書き方を紹介します。
重要な内容を持つ将軍の御内書は、楮を原料とした高級紙檀紙 だ ん し の竪紙 たてがみ (漉いたままの大きさの紙の形)を本紙・礼紙 ら い し の二枚組で使用することが原則でした。しかし、 12代将軍足利義晴 よしはる の時代に雁皮 が ん ぴ を原料とする斐紙 ひ し を横切紙 よこきりかみ (竪紙を横に切った横長の形)の形態で用いるように変化したと「上杉家文書」の分析から指摘されています。 このような使用法は13代将軍義輝に継承されました。そして、義輝は通達目的の御内書に二枚組の檀紙の竪紙の料紙を使ったとみられます。
御内書には側近の副状 そえじょう が添付されました。それは本状である御内書と同じ原料の紙を同じ形態で使用することが原則であったとみられます。また、側近が副状ではない 書状を一緒に送ることもありました。この場合は独立の書状であることを示すために、戦国期の外交文書の基本であった斐紙の横切紙を用いたとみられます。このような 選択は、書状の書き方とともに、義晴に仕えた父大館常興 じょうこう から子晴光に継承されていたとみられます。
▼ コレクショントーク
日時:5月10日(日) 14:00
場所:常設展示室 上杉文華館
※入館料が必要です。
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【お問い合わせ】
米沢市上杉博物館 0238-26-8001


