「おもだかの」発句自画賛 与謝蕪村 筆 1幅 宝暦八‐明和初年(1758‐66) 山寺芭蕉記念館蔵
文月八日
おもだかの橋は 引ずや銀河 蕪村(花押)
〔解 説〕
蕪村の宝暦から明和初年の筆跡の特徴がよく表れている作品。
沢瀉(おもだか)は水田に生える多年草。池辺の沢瀉の影が、昨夜の七夕には水面に映える天の川に渡す橋かと思えたが、八日の今日も昨夜の名残りを偲ばせつつ、季節を過ぎて衰残の姿をされしているさまを、句・画両面から利かせたもの。