『あんぱんまんの遺書』
アンパンマンの作者はやなせたかしさんであることは知っていた。 同僚の佐藤大輔が面白い本ありますよ、と言うので、どれどれと早速借りて読んでみた。 驚いた! 何に??? これはやなせさんのキャリアの話ではないか。 クルンボルツさんのプランド・ハプンスタンス理論(計画された偶発性理論)を地で行くようなキャリアの本。 1919年生れで2013年に94歳でなくなっている。 アンパンマンは54歳の時に書き始めて、69歳でテレビ化されたというから驚きだ。 『あんぱんまんの遺書』は1995年に書かれている。 昨年、岩波現代文庫として文庫化されたものを今回読んだ。 「手のひらに太陽を」の作詞はやなせさんであることは知っていた。 しかし、三越の宣伝部の社員として三越の包装紙「華ひらく」を手がけたとはしらなかった。 「見る前に跳べ」が信条で、 「何のために生れて、何をして生きるのか」をずっと自ら問いかけて生きてきた。 この本は、1993年に自分より先に逝った奥様へのラブレターのようにも感じる。 小気味良い文体で読み進むうち、思わず涙が出てきてしまった。
2014.05.01