最上義光歴史館

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最上義光のこと♯1

【人間評価のむずかしさ】
 
 ひとりの人物をどう評価するかということは、なかなかむずかしい問題である。
 戦時中私たちは、足利尊氏は乱臣逆賊の典型のように教えられた。戦後では、田沼意次が贈収賄に明け暮れて、腐敗政治の元凶のように教えられたこともある。
 しかし、その後聞いたり読んだりしたところでは、尊氏にしても意次にしてもなかなかすぐれた人物であり、その業績も高く評価される面があるとのことだ。
 時代が変わることで判断の基準が変わり、従来目の向けられなかった面が脚光を浴びたりして、人物評価はさまざまに変わるのだろう。
 さらには、史料の取り上げ方によって実像から離れた人物像が形成され、それが広く流布してしまい、一般の評価がなされてしまうというような場合もある。
 実は、最上義光に対する現今世上の評価は、どうもこれらしいのだ。
■■片桐繁雄

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