最上義光歴史館

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三十八間総覆輪筋兜


被弾した鉄砲玉の疵


通常、兜を展示しているケース


破調の美となる(!?)黒織部沓茶碗


銃弾が貫通したようにも見えますが・・・

当館の最重要展示品である「三十八間総覆輪筋兜」は現在、米沢市上杉博物館の特別展「上杉景勝と関ケ原合戦」(前期4月22日〜5月21日)に出展されています。この兜には直江兼続との合戦で被弾した鉄砲玉の疵が残っており、非常に貴重なものです。
その間、兜を展示していたケースには、三の丸跡の双葉町遺跡から発掘された「黒織部沓茶碗」を展示しています。茶碗の一部が破損しており、これもなんと鉄砲玉の被弾により破損したもの、ではなく割れた状態で出土したものです。
これが無傷であったなら、美術館に収蔵されてもいいくらい、織部らしい沓形の茶碗です。窓ぬき部分に市松模様が絵付されていますが、黒織部であるため、より斬新な印象になっています。
織部焼というと通常は、緑色の銅釉をかけた青織部を思い浮かべますが、黒織部は鉄釉を急冷させて黒く発色させます。急冷とは焼成後すぐ水につけることで、この手法を引出黒(ひきだしぐろ)といいますが、作りが悪いと割れたり破れたりします。形が複雑な沓茶碗ではなおさらです。

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※ここで、黒茶碗(!?)の豆知識
織部焼には黒織部の他に織部黒というのもあります。その違いは、窓絵といわれる文様があるものが黒織部、黒釉が器の全体を包んで文様のないものが織部黒といわれます。瀬戸黒も手法的には同じです。
ちなみに楽焼における黒楽も鉄釉を用いますが、これは釉薬をかけて陰干しすることを10回程度繰り返した後、焼成、急冷することで、あの漆黒のふっくらとした肌合となります。
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※もうひとつ、古田重然(織部)の豆知識
古田重然(1543〜1615)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康それぞれに仕えた武士で、40歳ころまでは茶の湯への関心はなかったらしいのですが、千利休の弟子となり、利休亡き後は「天下一」と称された武将茶人です。最上義光(1546〜1614)とはまさしく同時代の人です。
織部(織部好み)は、慶長年間(1596〜1615)に爆発的な流行をみせ、利休の静謐さと対照的な動的な「破調の美」の道具組を行いました。この「破調の美」の表現法に、器をわざと壊して継ぎ合わせ、そこに生じる美を楽しむという方法があるといいます。もしかしたら当館の黒織部茶碗も、この方法で新しい美をもたらすことができるかと。
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最上義光立像と記念植樹「ベニシダレ」


桜花で埋め尽くされたお堀(4/11撮影)


「風流花見流し」の筏が着岸している北門

今回ご紹介するのは、当館の正面の公園敷地にある「最上義光」立像です。これは、山形西ロータリークラブが創立60周年を記念し建立したものです。その右手奥に写っているのが、最上義光公没後四百年を記念し最上義光歴史館サポータークラブ「義光会」が植樹したベニシダレです。
今週末(4月15日、16日)も霞城観桜会の行事が開催されます。お堀に筏を浮かべて演奏・演舞を行う「風流花見流し」や、野点で抹茶がいただける「大茶会」、やまがた舞子の花見園遊、美術館前では大骨董市が予定されています。
桜花はそろそろ見納めですが、場所によってはまだまだ楽しめそうです。また、桜と電車の撮影に終日カメラを構えられる方を何人もお見かけします。特に今週末のお堀では、花吹雪に花筏といった風景がみられるかと思います。例えとしては何なのですが、落花の中を進む花見流しの筏は、流氷をつき進む「ガリンコ号」を思わせる姿となるのではと。



桜花爛漫の最上義光騎馬像


甲冑着付けの様子


最上義光武将隊


外国人観光客との記念撮影

 今日は、霞城観桜会のイベントに合わせ、最上義光歴史館のボランティア団体である義光会のメンバーが甲冑を身に着け、大手門付近に参上しました。午前中は、天気にも恵まれ、観桜会には多くの来場者があり、最上義光、伊達政宗、志村光安それぞれに扮した甲冑隊との記念撮影をも楽しまれていました。
 現在、最上義光歴史館では、特設展示として刀剣を中心とした「鐵(くろがね)の美」展を開催しており、4月8日付けの山形新聞にも記事として紹介いただきました。霞城観桜会に合わせ4月8日、9日は開館時間を午後7時(入館は午後6時30分)まで延長しております。この機会に是非ご覧ください。

下記の資料は、米沢市上杉博物館の展覧会 「上杉景勝と関ヶ原合戦」に出品中のため、ご覧いただくことができません。
ご来館のみなさまには何卒ご理解をお願い申しあげます。


○長谷堂合戦図屏風(複製) 六曲一双
 8月上旬まで
○鉄製指揮棒(最上義光所用)
 7月上旬まで



米沢市上杉博物館の「上杉景勝と関ヶ原合戦」については>>こちら

最上義光歴史館/公益財団法人山形市文化振興事業団


■名称
特設展示/第一部
「鐵[kurogane]の美2023」 
〜 戦国武将の刀、最上家ゆかりの刀 〜  

■会期
令和5年4月5日(水)〜同年7月30日(日)  

■内 容
戦国武将の刀と最上家ゆかりの刀を選定しました。最上家の家臣で大山城主・下吉忠の子孫が大切に伝承した刀や、最上義光の葬儀の日に墓前で殉死した四人の忠臣の一人長岡光広の子孫が代々伝承した刀を初めて一般に公開しています。

■展示資料

■展示刀剣
短刀  銘  則国(福岡藩黒田家伝来/重要美術品)
太刀  銘  藤光/元和元□□月十日給之兼松又四郎源吉政
太刀  銘  一 備前国吉(以下切)/嘉暦二(以下切)
短刀  銘  備前長船住景光/元徳三年五月日(重要美術品)
刀  朱銘  来国次(山野辺光茂所持)
太刀  銘  備□長船盛重(平野長泰所持/号吉野川)
刀   銘  濃州兼常/利宗(下家伝来)
刀   銘  備前国守光(長岡家伝来)
短刀  銘  行平(赤坂千手院/長岡家伝来)
太刀  銘  出羽国酒田住兼高作/八幡宮奉納源家親

※都合により会期中に展示替えをする場合があります。








今年は例年になく桜の開花が早くて、特に最上義光歴史館前の道路沿いの桜は、今が見頃となっています。写真は4月3日に撮影したものですが、木によっては満開状態です。

毎年行われる霞城観桜会は、今年でちょうど第30回を迎えます。
4月8日(土)は、最上義光公騎馬像前広場にて「山めん寒ざらしそば献上式」や8日、9日には「最上義光武将隊の賑やかし」というのもあります。
その翌週、15日(土)、16日(日)には、やまがた舞子園遊や大茶会なども予定されていますが、その頃には、桜吹雪ならまだしも、葉桜になってしまわないかと、ちょっと心配しています。