米沢牛辞典

米沢牛辞典
ログイン

米沢牛の特長は、融点(脂の溶ける温度)が低いことにあります。

また、単に低すぎても口の中でだれてしまうので、
その調整の度合いが、良質な肉とそうでない肉を分けるポイントになります。

まろやかにとろけ、なおかつ口の中に脂臭さがが残らないお肉が、最高の肉と評価されます。
まず「脂肪交雑」、「肉の色沢」、「肉のしまりときめ」、「脂肪の色沢と質」以上の4つについて評価が行われ、4項目の総合的な判定から最終的に肉質等級が決定します。

「脂肪交雑」・・霜降の度合いを表しています。BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)という判定基準があり、これによって評価されます。

「肉の色沢」・・肉の色と光沢を判断します。「脂肪交雑」と同様に、肉の色にはBCS(ビーフ・カラー・スタンダード)という判定基準が設けられています。一般的に鮮鮭色が良いとされています。 また光沢については見た目で評価されています。

「肉のしまりときめ」・・見た目で肉のきめが細かいと柔らかい食感を得ることが出来ると評価されます。

「脂肪の色沢と質」・・まず色が白またはクリーム色を基準に判定され、さらに光沢と質を考慮して評価されます。
牛肉は(社)日本食肉格付協会によって格付が行われています。
これは取引をする場合の目安となり、格付けの等級が高ければ値段も高く取引されます。

牛肉の格付けには、以下の2つの等級が使われます。
1つは歩留(ブド)まり等級、もう1つは肉質等級です。

歩留まり等級はA-B-Cの3段階に分かれておりAが最も良く、
肉質等級は5-4-3-2-1の5段階に分かれ5が最も良い等級となります。

実際の表示では、2つの等級を組み合わせて【A-5】とか【B-3】というように表示し、歩留まり等級が3段階、肉質等級が5段階ですから、牛肉の等級は全部で15段階で表わされます。

最高ランクである【A-5】に評価される牛肉はほぼすべてが和牛であり、割合で言うと全体の約15%程度と言われています。

米沢牛に選ばれた牛は、すべて【A-5】ないし【A-4】に格付けされた黒毛和牛ということになります。
明治四年藩校興護館(現在の米沢興護館高校)に外国語教師として招かれた英人チャールズ・ヘンリー・ダラス氏が、同八年任期を終えて横浜に帰る際、米沢牛を持ち帰り、これを居留地の英人仲間に馳走したところ、その美味をいたく感嘆したと言います。

その反応に我が意を得た彼は、早速に米沢の馬喰を横浜の牛肉問屋と契約させ、米沢の牛を『米沢牛』と命名して売り出したところ、これが評判を呼び、米沢牛の名前がたちまち全国に広まったと伝えられています。

チャンピオン牛とは、年3回行われる「米沢牛枝肉共進会」で、最優秀賞として落札された牛のことです。

日本の和牛の中でも最高ランクに位置する米沢牛、そして、その米沢牛の中でもさらに最高ランクに属する牛ですから、その品質は申し分のないものがあります。
近年、遺伝子組み換え作物の登場や、有機農産物の人気の高まり、食品アレルギーやBSE問題、偽装表示、産地偽装問題などの発生に伴って、食品の安全性や、消費者の選択権に対する関心が高まっており、特に食品分野でのトレーサビリティが注目されつつあります。

トレーサビリティ(traceability)とは、製品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をいいます。

日本では、2004年12月から、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」(牛肉トレーサビリティ法)の施行により、国産牛肉については、牛の出生からと畜場(食肉処理場)で処理されて、牛肉に加工され、小売店頭に並ぶ一連の履歴を10桁の個体識別番号で管理し、取引のデータを記録することとなりました。
日本三大和牛として名高い米沢牛は、黒毛和種で山形県の置賜郡地方で12ヶ月以上飼育されて、日本食肉格付協会が定めるA5、B5と格付けを受けた枝肉重量が雌で330kg、去勢で380kg以上の物を言います。
厳しい審査を潜り抜けたとても希少価値の高い国産和牛です。

※山形牛とは?
これに対して山形牛とは、山形県内において12ヵ月以上肥育した黒毛和種で、日本食肉格付協会が定める肉質等級が「4」以上(県内産和牛A−3等級も準ずる)の物を言います。
個体識別番号(こたいしきべつばんごう)は、日本の狂牛病問題対策における牛に一意で割り振られる番号のこと。

畜主は、牛の出生と同時に耳に個体識別番号が書かれたタグを装着し、装着した番号を個体識別センター(家畜改良センター)に報告する義務があり、このことにより、その牛の出所を正確に把握することができるようになりました。

なお、個体識別番号はこちらの畜産情報ネットワークで調べることができます。
生体から皮、骨、内臓などを取り去った肉を枝肉(エダニク)といいます。

このとき、生体から取れる枝肉の割合が大きいほど等級が高くなります。
つまり同じ体重の牛でも、より多くの肉が取れる方が食肉として質が高いという評価になるのです。
powered by samidare