鈴鳴草子 〜鈴の宿 登府屋旅館〜

直江兼続 「お屋形様、前田慶次というものが訪ねてきております。」

上杉景勝 「ん?それは何奴じゃ?」

兼続 「天下の傾奇者といわれ、太閤殿下の前で猿踊りをした男でございます。」

景勝 「・・・。」

兼続 「お屋形様にも、以前お話したと思いますが・・・。」

景勝 「うむ。前田慶次は、わかる。あやつは、マンガはおろか、パチンコにまでなったからの。しかし、訪ねてくるというのは、おかしい。」

兼続 「それはどういう意味でございますか?」

景勝 「そうであろう。なぜなら、まだキャスティングが決まっておらぬ。」

兼続 「御意に。今日は、そのキャスティングの話でございます。」

景勝 「いろんなものが口々に言いたいことを言っているようじゃの。」

兼続 「いろんな話を聞きましてございます。」

景勝 「宿に放った隠密の話か。」

兼続 「左様でございます。例の旅籠宿に来る客人たちもしきりに話していくそうでございます。隠密が伝えることには…。」

景勝 「誰じゃ。」

兼続 「及川光博どの。」

景勝 「ミッチーは、利家とまつでやったではないか。ありえぬ。」

兼続 「さすが、お屋形様。歴史にお詳しい。照英どのは、いかがかと。」

景勝 「うむ。今回は、重大な戦の殿(しんがり)を任せるからのぉ。動きもよさそうじゃ。他には?」

兼続 「坂口憲二どの。」

景勝 「荒鷲のせがれか。なるほど、体も丈夫でよいな。弁慶のような役もやっておったし。」

兼続 「中には大胆なことを申す者がおったそうでございます。」

景勝 「誰じゃ?」

兼続 「阿部寛どのでございます。謙信公亡きあと、再び別の役で登場してはどうかと・・・。」

景勝 「ありえぬ。」

兼続 「なかなか面白き考えではございますが。」

景勝 「わしは見てしまった。謙信公が、白い軍服姿で座っておった。あの軍服は、帝国陸軍。」

兼続 「さすが、お耳が早い。謙信公は、生まれ変わり、秋山好古となるようでございます。日本騎兵の父。いつ見ても馬上が似合うお方ですな。」

景勝 「あれは、どこの局じゃ。」

兼続 「NHKでございます。2009年の秋、日曜の8時からの開始かと。」

景勝 「なに?!それは、重なるではないか??」

兼続 「左様でございます。今年から大河ドラマは秋までになり、秋から年末にかけて、『坂の上の雲』を3年がかりで放映するようでございます。」

景勝 「3年がかりで・・・。」

兼続 「21世紀スペシャル大河ドラマという枠でございます。」

景勝 「高校球児ではあるまいに、21世紀枠とは。しかし、阿部どの、レギュラーシーズン中にも関わらず、複数年契約の出来高払いとは・・・。さすが謙信公を射止めた男。神がかっておる。」

兼続 「さて、話を戻して、前田慶次の件ですが・・・。」

景勝 「そうじゃ。して、誰がよい。考えがあるのであろう。」

兼続 「はっ。恐れながら、長瀬智也どのがよいかと・・・。」

景勝 「TOKIOの長瀬どのか。事務所が許すかのぉ。」

兼続 「義経どのもなんとかなりましたから、大晦日と合わせて交渉すれば、大丈夫かと。」

景勝 「ふむ。心して交渉せよ。」


・・・という勝手な妄想をしてしまいました。

ちなみに、前田慶次のキャストはまだ発表されていません。

皆さんの妄想キャスティング、ぜひお聞かせください。


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