家づくりにおいての引き算を考える

 

先日コンビニエンスストアに行った際に、

少し驚いた事がありました。

 

 

普段、コンビニエンスストアでアイスを買う事がほとんどないのですが、

ふとアイスを買いたくなり覗いてみると、

売られているアイスがほとんど200円前後だということに、

少し衝撃を受けました。

 

 

未だに120円位のイメージをもっているのは私だけかもしれませんが、

ここまで値段が上がっているのかという感じでした。

 

 

もちろん、アイス以外にもさまざまなものの値段が高くなっている

私たちの生活環境ではありますが、

今、建築業界においても同様の事が言えます。

 

 

一時、『ウッドショック』という言葉を耳にする機会も多かったかと思いますが、

2020年頃のコロナウイルス拡大、ロシアウクライナ情勢、

外国での建築ラッシュによる輸入材の減少など

さまざま要因から木材が高騰し、それに合わせて木材や建築資材、

機器類なども大きく値上がりしました。

 

 

今現在は極端な値上がりは収まっている状況ではありますが、

どちらかというと上げ止まりしているというイメージが近いでしょうか。

一度値上がりすると値下がりすることはほとんどありませんからね。

 

 

そんな状況もあり、

今家を建てると高いとお考えになられている方も多いのではと思います。

 

 

また、そこに拍車をかけるように建築コストが上がっていく要因として、

SNSの力があります。

 

 

SNSの普及により、インスタグラムなどにさまざまな施工事例や

コストがかかりそうなアイデアが無数に投稿されているので、

自然とやりたい事が山のように膨れていってしまいますよね。

 

 

ですが現実的に考えると、建築コストが高くなってしまっている分、

家づくりにかける全体費用を圧縮する工夫をしなくてはいけません。

 土地や外構の費用を圧縮する共に、

家の費用自体にも目を向ける事が重要だと思っております。

 

 

そういった観点でTarukenでは、

今のプラス地獄の中から抜け出すために、

マイナス手段をお伝えすることで

不用意な建築コストの上昇を防いでいるわけですが、

その手段は大きく2つのカテゴリーに分かれます。

 

 

1つが、部材点数を減らすこと。

そしてもう1つが家の面積を減らすことです。

 

 

もちろん、後者を実現すれば

必然的に部材点数は減るので、

後者は前者の意味も含んでいるのですが、

ここでお伝えする前者は面積とは関係のない部材なので、

あえて分けてお伝えさせていただきたいと思います。

 

 

まず今回は、

前者の『部材点数を減らすこと』についてお話させていただきます。

 

 

 

無意識に増やしてしまう2つの部材

 

 

家という買い物は、

他の買い物と違って

1つ1つの商品に値札がつけられていません。

ゆえに、価格を意識することなく知らず知らずの間に

コストがアップする言葉をたくさん発してしまいます。

 

 

例えば、家の中のドアなどの建具の本数です。

 

 

設計の段階で1本数万円の建具の価格を意識している方は

まずいないと思います。

 

 

ですので、出来る限りの箇所に収納をつくっては

その全ての箇所にドアを設置していこうとします。

 

 

また、収納を通り抜ける動線が

今や当たり前となりつつありますが、

通り抜けるということは

入口と出口が別々になるということなので、

必然的にドアの本数は増えることになります。

 

 

さらに、家の中に廊下が多くなれば、

これもまたドアを増やす原因となります。

 

 

部屋から部屋へと移動するのに、

一旦廊下に出るとなれば、

その分ドアが余分に必要となるからです。

 

 

そんなわけで、

知らない間にドアがたくさん出来、

結果、コストを押し上げてしまうというわけですね。

 

 

そして、ドア同様に

無意識に増やしてしまうもう1つの部材が窓です。

 

 

窓が少ないと暗い気がするし、

風通しも悪そうな気がするからです。

 

 

しかし、実際のところは、

家の明るさは窓の多さに比例しません。

 

 

なぜなら、どれだけ窓をつくっても、

ほとんどの家が日中もカーテンによって

光を遮断してしまっているからです。

 

 

ですので、本来窓に関しての重要なポイントは、

光を遮断しない窓をつくることの方が重要になってきます。

 

 

カーテンがいらない窓を中心につくることが出来れば、

窓そのものの本数を格段に減らすことも出来るし、

カーテンという部材までも同時にカットすることが出来ます。

 

 

おまけに窓が減れば、

耐震性や断熱性もアップしていきます。

 

 

それと同時に、壁の面積が増えますので

家具のレイアウトの自由度も上がりますし、

収納スペースを増やす事もできます。

また、スイッチやコンセントの場所にも悩まなくなりますよね。

 

 

他にも、

窓掃除の手間も減らせる事や、戸締りの心配も少なくなる事など、

良い事だらけです。

 

 

そんなわけで、

間取りを考える時には、

ドアと同様に窓についても

真剣に考えていただけたらと思います。

 

 

今挙げさせていただいた、

ドア・窓だけでも50万円以上コストが変わってくるかもしれないので、

ぜひ意識しながら家づくりを行ってみていただければと思います。

 

 

それでは次回、

不用意な建築コストの上昇を防ぐもう一つのマイナス手段、

『家の面積を減らすこと』について具体的にお伝えしていきたいと思います。

2024.02.08:taru_nobu:[コンテンツ]