家を持つことに対して、
「家賃を払うぐらいなら早く家を建てた方がいい」
という言葉をよく耳にします。
賃貸に住まわれる方にもさまざまな目的があると思うので、
一概には言えませんが、理由なく家賃を払い続けて賃貸に住むのであれば、
私も家を建てた方がいいと考えます。
ただ、『家を持つ』ということをしっかり理解したうえでです。
例えば、賃貸住宅は、
家賃だけを払っていればいいですが、
自分の家を持つと、
ローン返済だけをしていれば
いいわけではありません。
土地や建物という固定資産を所有したことにより、
固定資産税を市町村に毎年払わないといけないですし、
長く住み続けていくために、
定期的に外壁塗装や修繕などをしなければいけないため、
その費用も計画的に積み立てていく必要があるからです。
ですので、単純に家賃と比較するのではなく、
こういった維持費用もずっと掛かり続けることを
理解しておく必要があります。
また、子供たちが小さいうちに
家を建てるとなれば、
学校を中心に考えて土地を買うようになるため、
自然と土地代が高くなっていきますし、
これからさらに増えるであろう家族の人数を想定し、
余分に間取りをつくってしまうケースが多いため、
家の価格も高くなりやすくなります。
これでは、ローン返済の負担が大きくなってしまい、
貯蓄にまわせる部分が少なくなってしまいますよね?
ですので、子供たちは、
小さいうちからすぐに子供部屋を使うわけではなく、
ある程度大きくなってからだという事と、
いつまでも家にいるわけじゃない、
という事も踏まえた上で、
予算をなるだけ抑えられるように、
間取りを考える必要があります。
結果、固定費が削減出来、
家計に余裕が生まれ、
老後や教育のための貯蓄をすることが出来るようになります。
■貯蓄は大切
『家を持つ』という中でも、
もっとも最悪なのは、
貯蓄が全く出来ないような予算で、
家を建ててしまうということです。
そのような状況になってしまうのであれば、
家を持つことが良いとは言えません。
貯蓄するゆとりがない状態で
家を建ててしまった場合、
その後の不測の事態が起こった時に、
家を手放さなくてはいけないことになりかねないからです。
また、これから先は、
税や社会保障費の負担増によって、
可処分所得も下がっていきます。
それゆえ、充分な貯蓄がない
若いうちから家を持つとするなら、
家を持ちながら貯蓄していけるように、
ゆとりを持たせながら家づくりをすることをおススメします。
例えば、利便性が良い土地を買うなら、
車を1人1台持つのではなく、
1家に1台にするという選択肢があります。
これだけで毎月の負担が2~3万円程度は減らせるので、
その分を貯蓄に回すことができます。
また、やがて子供たちは出ていきますので、
子供部屋の広さや部屋数を
最小限にするという選択肢を持つことも
非常に大切なことではないでしょうか?
家の価格は、単純に面積に連動していきますので。
土地の広さに関しても家と同様です。
立地にもよりますが、
単純に土地面積が大きくなれば、
土地価格も高くなってしまいます。
ということで、そういった観点から
充分な貯蓄をしながら
家を持つことが出来そうであれば
なるだけ早く家を持つことはいいことだと思います。
きちんとしたライフプランの上、
予算の計画を立ててもらえたらと思います。