安い家には理由がある?

家づくりをすすめるにあたって、

“坪単価”を、住宅会社を判断する1つの材料として考えてしまっていませんか?

 

“坪単価”は、あなたが建てたい家が平屋か2階建てかによっても大きく違ってきますし、

同じ平屋や2階建てでも、家の形状によって大きく違ってきます。

また、家の仕様や敷地環境の違い、使う材料によっても、もちろん大きく違ってきます。

 

よく話の中で、「だいたい坪単価はいくら位ですか?」と聞かれることがあるのですが、

実は答えることが極めて難しい質問なのです。

  

先に坪単価で価格を判断してしまうと、

その敷地に合わせた本当に住みやすい家を提案することが出来なくなってしまう・・・

というのが、私の本音です。

 

 

家づくりでは、コストを必ずかけなくてはいけないポイントがあります。

まずは、耐震や断熱といった見えなくなる部分です。

  

例えば、少しでも建築コストを落とそうと、断熱にかけるコストを削ったとしましょう。

そうすると、逆に日々の光熱費が高くなり、長い目で見ると損をしてしまうことになります。

  

また、見えない部分をないがしろにしてしまった結果、

将来リフォームをする際に、莫大な費用を掛けないといけなくなってしまうケースも考えられます。

 

結果、最初からちゃんと考えておけばよかった・・と後悔することになるでしょう。

しかし、もうその時にはどうすることもできません。

 

    

また、南からの日当たりが悪そうな土地の場合、

1階のリビングの南に大きな窓をつくっても、

太陽の光が入ってくることはまずないので、

対策として、吹抜けをつくったり、リビングの位置を変えたりと、

柔軟な思考を持ってプランを考える必要があります。

  

そうすると、

延床面積には含まれないような余分な面積を施工することになり、

必然的に余分なコストがかかってくることになります。

 

しかし、そのコストを削ってしまったとしたら、

おそらく家族の大切な団らんのスペースは、

薄暗く、風通しも悪く、寒く、湿気っぽくなってしまうことになるでしょう。

  

 

端的に申し上げると、

坪単価の安い家というのは、性能が悪く、住みにくく、

ランニングコストが高くついてしまったり、

あらゆる場所の使い勝手が悪くなりやすく、住みにくい家になってしまう可能性が

非常に高くなるのです。

  

 

建てる時のことだけじゃなく、建てた後のことまで考えた上で家を建てること。

それから、坪単価で考えるのではなく、

予算の中でどのような家をつくれるのかを考えるようにすること。

  

これが家づくりでは、

非常に大切なことであるということを覚えておいていただければと思います。 

 

2019.09.10:taru_nobu:[コンテンツ]