初日の最後はエル・ポルベニール農園のカッピングです。
僕たちが買い付けるコーヒーの基準は「お・い・し・さ」です。
実際にカッピングという、ワインで言うなればティスティングの作業でコーヒーの液体の甘さや酸味、後味、風味などのそれぞれの質を点数に置き換えてシンプルかつフェアに評価して買付けます。
今年は、中米でもラニーニャ現象の影響で日照不足だったり、乾季のこの時期でも雨が降ったりと現地でも「いつもの年と違うよ!」と育てるのも大変だった様子です。
山形に置き換えてみると、さくらんぼの収穫時期に雨が多く降ったりすると糖度の低いものに仕上がってしまったり、実が割れてしまったりと品質低下の原因になってしまうこともありますよね!
コーヒーも収穫~処理段階の時期に雨が降ることはあまり好ましくありません。
そんな悪条件が重なった今回の気候の中で育ったコーヒーはどうかな?とやや心配もしていましたが、このカッピングテストではそのようなマイナス要素はなく、とても素晴らしい状態に今年も育っているなと感じました。
裏を返せば、このような悪条件の重なる中、いつもに変わらない品質に、はたまたそれ以上に仕上げるのは、とても苦労したんだろうなと頭が下がる思いでした。
そしてこの買付けで僕たちに1番の緊張が走ったのが、実際にセルジオさんに僕らが焙煎して販売している彼のコーヒーを逆にカッピングしていただくという機会を設けていただいたことです。
つまりは、育て手であるセルジオさんに、自分が育てたコーヒーの素材の良さを、僕たちが料理人(ロースター)として引き出せているかを味見していただいたわけです。
意欲の高い生産者の中には、自らカッピングを勉強して、客観的にコーヒーの品質を確かめられる方も増えていて、セルジオさんも育て手である傍らカッパーとしてコーヒーの品質を確認することもできます。
ですから自分が育てたコーヒーのもつポテンシャルを1番に理解しています。
紳士なセルジオさんからは、プラスなコメントをいただきましたが、
彼が育てた大切なコーヒーを僕たちに託して良かったな~と心の底から感じてもらえる仕事をせねばと思う瞬間でしたね。
セルジオさんが育て手として進化を重ねるのなら、僕たちはロースター(焙煎士)として もっと彼のコーヒーの美味しを引き出して皆さんにお繋げしたいと強く感じる体験でした。
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