有限会社コンサルネット

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私心のない判断を行う

 何かを決めようとするときに、少しでも私心が入れば判断は曇り、その結果は間違った方向へ行ってしまいます。

 人はとかく自分の利益になる方に偏った考え方をしてしまいがちです。みんなが互いに相手を思う思いやりを忘れ、私というものを真っ先に出していくと周囲の協力も得られず仕事がスムーズに進んでいきません。

 また、そうした考え方は集団のモラルを低下させ活動能力を鈍らせることになります。私達は日常の仕事に当たって、自分さえよければという利己心を抑え、人間として正しいか、私心を差し挟んでいないかと常に自問自答しながら物事を判断していかねばなりません

本音でぶつかれ

 責任を持って仕事をやり遂げていくためには、仕事に関係している人々が、お互いに気づいた欠点や問題点を遠慮なく指摘し合うことが必要です。

 ものごとをナアナアで済ませずに、絶えず何が正しいかに基づいて本音で真剣に議論していかなければなりません。

 欠点や問題に気づいていながら嫌われるのを恐れるあまり、それらを指摘せずに輪を保とうとするのは大きな間違いです。

 時には口角泡を飛ばしてでも勇気をもってお互いの考えをぶつけ合っていくことが大切です。

 こうした中から本当の意味でお互いの信頼関係も生まれ、より良い仕事ができるようになるのです。

自らを追い込む

 困難な状況に遭遇しても決してそこから逃げてはいけません。追い込まれもがき苦しんでいる中で、何としてもという切迫感があると普段見過ごしていた現象にもハッと気づき解決の糸口が見つけられるものです。

 火事場の馬鹿力という言葉があるように、切羽詰まった状況の中で真摯な態度で物事にぶつかっていくことによって、人は普段では考えられないような力を発揮することができます。

 人間はえてして安きに流れてしまいがちですが、常にこれ以上後に引けないという精神状態に自ら追い込んでいくことによって、自分でも驚くような成果を生み出すことができるのです。


土俵の真ん中で相撲をとる

 土俵の真ん中で相撲をとるとは、常に土俵の真ん中を土俵際だと思って、一歩も引けないという気持ちで事に当たるということです。

 納期というものを例にとると、お客様の納期に合わせて製品を完成させると考えるのではなく、納期の何日も前に完成日を設定し、これを土俵際と考えて渾身の力を振り絞ってこの期日を守ろうとするということです。

 そうすれば万一予期しないトラブルが発生しても、まだ土俵際までには余裕があるため十分な対応が可能となり、お客様に迷惑をおかけすることがありません。

 このように私達は、常に安全弁を置きながら確実に仕事を進めていく必要があります。

率先垂範する

 リーダーというのは自ら先頭を切って仕事をすることが大切です。

 一般には、総大将は全軍の後方にあって全体を把握することが正しいと考えられてきました。トップはどこにいることが正しいのか、私にとって、それは最初からずっと問題であり疑問でした。

 トップは大局を見誤ってはいけない。経理の問題、教育の問題、人事の問題、総務の問題、技術の問題、工場の問題、営業の問題など広く見渡して、全てに的確な判断を下し、指示を与えていかなければならないのが社長です。

 そのためにトップは、全体が見渡せるような高い丘のようなところへ登って、そこから全軍を見て指揮を執っていくというのが正しいはずだというのが、一般のリーダー論にあるわけです。

 私は、どうもそのことに納得がいきませんでした。前線で兵と苦楽を共にし、叱咤激励するのも真理なら、後方にいて全軍を見渡して指揮するのも真理、どちらかに偏っていいわけではないのだな。それなら自分は社員と苦楽を共にしようと考えました。

 しかし、いつも前線ばかりいたのでは全体を見誤りますから、全体を見渡すことも忘れないように臨機応変に対応してきました。

 実際には、自分が苦労したくないから後方にいるとういう言い訳にしているケースがあまりに多く見受けられます。社長だけでなく、リーダーにとって一番大切なことは率先垂範するということです。

渦の中心になれ

 自分一人では大した仕事はできません。上司、部下、同僚等、周囲にいる人たちと協力して進めていくのが仕事です。

 ただし、自分から積極的に仕事を求めて、周囲の人たちが自然と協力してくれるような状態にしていかなければなりません。これが、“渦の中心で仕事をする”ということです。

 下手をすると、他の人が渦の中心にいて、自分はそのまわりを回るだけ、つまり協力させられるだけに終わる場合があります。

 会社の中には、あちらこちらに仕事の渦が巻いています。その周囲に漫然と漂っていると、たちまちに渦に巻き込まれてしまいます。

 自分が渦の中心にいて、周囲を巻き込んでいくような仕事の取り組み方をしなければ、仕事の喜びも、醍醐味も知ることはできないでしょう。

自ら渦を巻き起こせるような、主体的で積極的な人材であるかどうか、これによって仕事の成果は言うに及ばず、人生の成果も左右されると思います。