Quintet H
木管五重奏コンサート
2010年1月30日(土)
開演/午後2時00分 (開場/午後1時30分)
■ 第1部 ■
第1部はモーツァルト作の『魔笛「序曲」』で華々しく始まりました。
クインテット・アッシュを代表して会場のみなさんにご挨拶された宮崎さんもおっしゃっていた通り、まさに「演奏会の幕開けにふさわしい」、これからの時間への期待をより高めてくれるような1曲でした。
2曲目は、プーランク作の『ノヴェレッテ』。
もとはピアノで演奏されるものを木管五重奏用にアレンジしたもので、前者と比べると「よりあたたかい音色のアンサンブル(濱崎さん談)」というように、同じ曲でも演奏する楽器が変わるとその印象も随分と違い驚きました。
さて、2曲が終ったところで、クインテット・アッシュのみなさん各人の自己紹介と楽器の説明がありました。(以下、実際の自己紹介順)
◆濱崎由紀さん(クラリネット)◆
「クラリネットが黒いのは、もとから黒い“グラナデラ(黒檀の一種)”という木で作っているため」とのこと。
また、寅年にちなんであの「とらさん」でおなじみの映画のテーマ曲も、実はクラリネットが使われているということを教えていただきました。
◆最上峰行さん(オーボエ)◆
メンバー内唯一の東北出身者として、ちょこっとだけ“東北弁”を披露し、会場を盛り上げてくださいました。
演奏に使用する“リード”は1本作るのにとても時間がかかり、その半面3日くらいで駄目になってしまうため、「この日の白鷹での演奏と同じ音はこの演奏会でしか聴けない」ということでした。
◆佐藤由起さん(ファゴット)◆
「ファゴットとはイタリア語で“薪の束”という意味で、楽器を分解して持ち運ぶのが薪に見える」ところからそう呼ばれるそうです。(英語圏では主に“バスーン”)
楓で出来ていてかなり重く(3.5~4kg)ストラップ無しでは演奏できないそうですが、木管で一番低い音から3オクターブ出る楽器で、よく伴奏などに使われ「縁の下の力持ち」のような存在ということでした。
◆宮崎由美香さん(フルート)◆
「金属で出来ているフルートが何故木管楽器なのか?」それは、「昔は木で作っていた」からだそうで、金属の方が良く響いて大きい音がするため改良されたということでした。
さらに“
循環呼吸奏法(パーマネント・ブレス)”というフルートの奏法を実演してくださり、その途切れることのない滑らかな音に会場のみなさんもとても感心していたようでした。
◆猪俣和也さん(ホルン)◆
「ホルンは金管楽器だが、その音色が木管楽器の音色と良く混ざるため、木管五重奏として一緒に演奏している」とおっしゃっていました。
音の鳴る仕組みも、まず楽器からマウスピースだけを外して吹いて下さり、次にそれが楽器に繋がった時にどういう音に変化するのかをわかりやすく教えてくださって、最後に誰もが知っているあのラッパのマークのメロディも聴かせてもらいました。
3曲目はモーツァルト作『キラキラ星による12の変奏曲K.265』。
これもほとんどの皆さんが一度は耳にしたことのあるメロディだと思います。
「12の変奏曲」とあるとおり、次から次へと軽やかにメロディが移り変わり、まるでその様は夜空で輝く大小様々な星たちそのもののようでした。
第1部最後の曲は、オーボエ奏者でもある茂木大輔作『木管五重奏のための「父の掌」』でした。
初めて聴きましたが、出だしの優しく少しだけ切ないような旋律から、一転して荒々しいまでの激しいリズムになったりととても変化に富んだ素敵な曲で、聴いているとその情景が脳裏に浮かぶようでした。
演奏会後のアンケートでも、この「父の掌」が好きだと書いて下さっている方が何人かいらっしゃったようです。
ここまでで、演奏会は一旦休憩に入りました。
引き続き<第2部>、<交流会>の模様は『Quintet H 木管五重奏コンサート(後編)』をご覧ください(^^)