朝日町大谷の角田流獅子踊の獅子頭
ずいぶん前に制作した朝日町大谷白山神社 角田流獅子踊の獅子頭制作時の写真が出てきた。 制作した年を調べているのだが、現在もまだ不明である。若気の至りで整理整頓が出来ていない。 フィルム現像写真から撮影したものだがデジタル化した模様だ。 写真のデータも無く、ネットで朝日町の助成金等の記録も探しているが出てこない。 確か獅子宿燻亭開業前の平成10年(1998年)以前かも知れない。 朝日町には、実はありがたい助成制度「志藤六郎村おこし基金」があり伝統芸能の備品購入などに活 用されている。毎年8月31日の「大谷の風祭り」で披露されている。 宮城県角田市から伝わったとされるが、角田市では途絶えている。置賜の三匹獅子型の獅子踊で獅子頭 は小型サイズの獅子頭である。獅子頭だけの依頼で桐材で彫刻し塗りを施して制作した。普通は踊子の頭に 取り付けるカゴを獅子頭に取り付け、羽根のタテガミや顎紐、顔隠しの麻の前幕、背中の羽根を付けたミノ を制作して仕上げるのだが、保存会独自で羽根を確保し仕上げるノウハウがあったのだろう。 口を閉じ気味の雄獅子と思われる獅子頭 微笑んでいるかの様な雌獅子 三頭の内、雄獅子と思われる大きめの獅子が口を閉じ、雌獅子と供獅子が大きく口を開けている形だ。 モデルに貸し出しされた獅子頭は激しく破損されている訳ではなく、眼や歯が金箔を金紙で補修した程度で 状態は良好だった。 納入後に仕上がった大谷の獅子踊の獅子頭を見に行って驚いた記憶がある。 タテガミの羽根の量が多く巨大で獅子頭が見えないのである。 置賜の獅子頭は張子で作られ羽根のタテガミは頭頂部に植えられ雄獅子には立派な牙がある獅子頭である。 大谷の獅子はどちらかと言えば神楽系の獅子舞型のような造形である。 衣装を見ると柄物の浴衣着に、たっつけ袴を履き、手甲脚絆に草鞋。獅子頭の顎には前掛けの様な鮮やかな 顔隠しの布をひるがえしての演舞で、西置賜の獅子踊風だが、こちらは色鮮やかな生地である。西置賜の獅子 踊は上杉藩時代の緊縮令で、黒に近い藍の作業衣を着用する事と限られ現在でも伝統となっている。 現在、朝日町には三中(みなか)八ツ沼に春日神社に伝わる獅子踊が伝承されている。4年に一度の閏(うるう) 年には大名行列、獅子舞、獅子踊が同時に開催される伝統とか、来年2024年がその年にあたる。 楽しみの一言に尽きるのだが、疫病の影響がまだまだ気になる。
2023.02.21