獅子宿燻亭10

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  • 朝日町前田沢金比羅神社の獅子頭

    2025年10月31日(金)午後3時、朝日町宮宿の「あさひ旅のココロ館」に到着した。 これから、宮宿の観光協会の事務所から車で10分程の前田沢 金比羅神社に案内をお願い し神社所蔵の獅子頭を拝見する予定である。先日、事務局長が偶然、金比羅神社の拝殿 内を撮影し獅子頭の存在を発見し、連絡いただいた次第である。  前田沢の集落から林道に入り鬱蒼とした山道を上っていくと小高く見晴らしの良い境内 に到着した。この周辺を整備を担う吉田さんは御歳85歳だが、すぐさま倒木を伐り払った り降り落ちるカメムシ軍団を払ったりキビキビ動く様は60代前半の機敏さだった。 真下には宮宿中学校のグランドから宮宿町内、朝日連峰まで望める見事な眺望である。      金比羅神社は宮宿の豪商 今井家由縁の神社で、舟運の守神であり五穀豊穣、商売繁盛の ご利益もある事から全国で信仰されている。拝殿の木札に神社建立の由来が残されていた。 一般的な神社の建築構造とは違い、座敷の床の間に社名の書かれた巨大な黄金の位牌が豪 奢な厨子に納められている形である。その厨子の両側に一対の獅子頭が鎮座していた。  提供いただいた獅子の写真を見ると江戸期米沢笹野の彫師「源右衛門」と昭和期長井の 教諭 長谷部岳翁(健吉)の作とすでに推測としていた。朝日町には源右衛門の作と思われ る獅子頭は宮宿 豊龍神社、松程沼の平の八幡神社、白鷹町十王の皇太神社、萩野大日堂に 見られる。  唯一、記名のある米沢市簗沢八雲神社の大獅子に「笹野 源右衛門 安永六年(1777年)」 とあり、この獅子頭の作風を元に獅子頭を比較し鑑定している。 長谷部健吉の作の獅子には「岳翁」という木札が付属していた。同行していただいた吉田氏 の話では長谷部健吉氏が宮宿小学校に勤務していた時代のご縁で購入したのだという。源右 衛門の獅子頭が一頭で神社を守るのは寂しかろうと吉田氏が寄贈したと話してくれた。 源右衛門の作の獅子頭でも眼光の鋭い厳つく眉に力の入った表情であるに対して、岳翁の獅 子は眉間に宝石を取り付け女性的な趣を感じる対照的な獅子一対である。 ふと4枚の襖絵に目を遣ると、七福神を描いた見事な肉筆画に気づいた。作者の印が残され ているので後日、事務局長が専門家に調べてもらう事になった。 改めて写真をアップして見ると七福神の活きいきとした表情や筆捌き、水墨画の高度な技術が 垣間見える。おそらく旅の絵師が今井家に逗留し描かせたものだろうとの見解である。 11月に入り日が短く成り4時を過ぎると薄暗くなってきた。大の大人3人でも熊野出没が頭に よぎり心細くなり急いで神社の戸締りをして下山した。 帰り道、神社主である今井倭子(しずこ)さん経営のカフェにお邪魔しお茶をご馳走になった。 静子さんは昭和10年代ながら若々しく闊達で元は声楽家、本場イタリア仕込みのレストランも 経営するなど今村五郎八家10代目当主であられる。オペラで鍛えた滑舌で神社の由来をお聞き することが出来た。
    2025.11.14
  • 西高玉の稽古獅子修理

       白鷹町の西高玉稲荷神社のお祭が18・19日に開催される。 稲荷神社には竹田吉四郎の作と思われる稽古獅子が所蔵されている。 神社の獅子舞で用いられる獅子と違い、昭和初期に制作された総宮 神社型の獅子頭が所蔵されているのは違和感があるが、合祀に由来 するのだろうか理由は不明である。 新しい軸棒に交換 歯から眉間までの亀裂に応急処置 この獅子頭が破損したと夜に連絡が入った。二本の軸棒の上の棒が 折れかかっているのだという。翌朝、届いた獅子頭を診察してみると やはり栗材と思われる上の軸棒が真ん中で折れかかっていて力を入れ て曲げるとすぐ真っ二つになった。その他に満身創痍の亀裂が各所に 見られ応急処置を行い、夕方退院し稽古に間に合わせた。 獅子頭の眉間の眉の金箔が珍しい貼り方のラインである。何を意図した 貼り方なのか・・・謎が残った。
    2025.10.17
  • 「上山市の獅子頭展」開催

      本日10月16日(木)より展示は11月23日(日)まで上山市立図書館の展示ギャラリーにて 「上山の獅子頭展」が開催されます。展示は11月23日(日)まで。10月23日(木)13:30分 から館内にて「獅子彫師渋谷正斗のギャラリートーク」を開催致しますのでご来場お待ちし ています。  上山市の獅子頭7頭と神楽面8点や資料、南陽市小滝と川西町小松の獅子頭5頭、自作の獅 子頭9頭、獅子宿燻亭のコレクション10頭 獅子頭の合計31頭を展示しましたのでご覧下さ い。獅子頭の説明カードに、獅子宿燻亭のブログQRコードを貼り付けていますので、スマ ホカメラで読み込んで獅子頭の詳細をお読み下さい。 それぞれの地区の眠れる獅子頭を呼び覚まし、昔語りをして頂きましょう。
    2025.10.16
  • 南陽市小滝の神楽獅子一対

     南陽市小滝の川井榮助氏宅に訪れた。 9月1日南陽市の境界の上山市小白府境に場所の確認の帰り、小滝不動尊に立ち寄った際、 住民の方から神楽獅子の存在と情報を取材し川井氏宅に辿り着いた。 大場家から寄贈された獅子頭 川合敏夫家所蔵の獅子頭 目や歯に金紙が貼り付けられている  川井氏は元地区長さんという事もあり、獅子頭の存在の詳細をご存知だった。神楽獅 子は2頭あり1頭は小滝の川合敏夫氏家と元大場 徹氏家(現在家は無し)に所蔵されて いたが、八雲神社に寄贈され現在は集会所に保管されている。大場家の獅子頭の顎の底 にはわずかに記名が残るが、塗りの上から墨書きされたのか、消えかかって判別が難し く記名は獅子頭の内部に記されるが常套である。獅子頭の作者は、大場 徹氏の次男が 関東方面で獅子彫の技術を習得され制作したものではないか?と聞いている。 大場家の獅子頭 顎に大場の「大」の文字が見える  獅子頭の上の歯が下の歯に重なる様式は、すぐ隣地の上山市山元の前丸森山と菅や 小倉棚木の神楽獅子と共通し、下総や上総(千葉県)の獅子の特徴と類似しているの で興味深い。もう一頭の川合敏夫氏家の獅子の歯は、付き合わせた噛み合わせだが、造 形は類似している。    顎の底の彫り 小滝の東に位置する上山市菅の神楽獅子の底の彫と似ている 川合家の獅子の耳  一対の獅子頭は川井榮助氏の記憶によると4・50年前八雲神社の例祭に村おこしを目 的に獅子冠りを始めた。唐草模様の幕を付けた二人立の獅子が一対で別々に上と下に分 かれ家々を厄払いをして回った。獅子舞の形は無く、頭を噛む「歯噛み」で厄を払い御 祝儀をいただく獅子回りの形である。獅子の後には婦人会や若妻会の女性がお賽銭箱や、 お礼の供物を配り同行した。獅子とは別に、子ども樽神輿が集落を回り、樽神輿は後に 本格的な神輿を作った。獅子回りは20年程継続したが人口減少で廃絶してしまった。 長井型の小獅子 梅津弥兵衛の作か? 太鼓 小滝田植踊りのものだろうか?  獅子頭の構造や古さを見ると、獅子冠りを始めた以前からずっと前から存在していた 様に思える。今回拝見した一対の獅子頭の他に、敏夫氏家の明治期と推測される長井の 総宮神社型の小獅子もあった。当地の八雲神社の拝殿や小滝田植え踊りについても取材 や調査を今後行いたい。
    2025.09.20
  • 白鷹町畔藤熊野神社の獅子頭完成

    白鷹町畔藤熊野神社の獅子頭の塗りと金箔、タテガミ植えも仕上がりようやく完成した。  令和5年に契約を交わし、令和6年9月に獅子頭木地の完成、塗りの完成は令和7年3月 だったがお盆まで伸びてしまった。重さを測ってみると6.2kgと手本の高橋小平衛の作 より補強のFRPの分重くなった。小平衛の獅子は超軽量で5.0kgだが前歯から目、耳穴 までにかけて大きく亀裂が入ってしまっている。修理した痕跡がないので貴重な高橋小 平衛と塗りの横山直太郎の記名が残ったが年号があれば更に価値のある記名だった。  新しい獅子頭は朱に黒を加えた錆色、唇や耳、内部や目の縁に若干鮮やかな朱を塗り 微妙な色調の違いで塗り分けている。朱の色作りが難しく、大きな舌のハケ捌きも高い 塗師の技術力を要求される獅子頭だった。  本年の例祭で拝殿にお披露目をし、来年以降の獅子舞出番になる予定である。 今年は、平山熊野神社8月14日お披露目、勧進代総宮神社8月15日初獅子舞、歌丸神社 が9月6日お披露目、畔藤熊野神社お披露目と楽しみが続いて忙しくなりそうである。
    2025.08.14
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