獅子幕の取り付け紐アレコレ

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 4月早々桜が満開の昨今、いよいよ春の獅子舞のシーズンに突入した。

いよいよコロナ禍の獅子舞自粛から4年経過し鎮静化しつつあり、待ちに待った獅子舞が再開しよ

うとする雰囲気である。令和5年度「ながい黒獅子まつり」は5月20日(土)に開催も予定され、

神社の獅子舞も通常に戻りつつあると聞いている。

各地区の獅子舞保存会の総会も催され、獅子舞の準備の話題も出始めてきた。




 さて、獅子舞を行う為には様々な手続きと話し合いや同意、調整、人材、物等などが必要である。

西置賜では獅子頭を獅子幕に取り付ける為に、3・4mm程の丈夫な紐が必要になるが各神社毎で様

々の紐を使用している。市販されている園芸用のシュロ縄や麻紐、稲刈り機用の紐などが用いられ

ている様だ。獅子頭の幕穴に既に紐が取り付けられ、それに幕を取り付ける方法と幕穴に直接幕を縫

って固定する方法もある。


幕紐を付けているタイプ


幕穴に直に取り付けるタイプ


 ある神社では、青苧(あおそ)の繊維から撚(よ)って紐にしている。麻や青苧は厄を払う素材

と考えられ獅子幕の取り付けに用いられている。置賜は江戸時代、舟運で青苧を産して特産物にし

てきた。長井市大町には青苧蔵の門跡も史跡として残っている。30年程前に廃業したが、大町に荒

物屋さんがあり青苧の繊維が販売されていたのを目撃している。当時は何に使うものか知らなかった

が、店内は博物館資料館の趣で、見ているだけで楽しかったものだ。もちろん獅子舞で使うワラジや

獅子振りが着る行衣もあった。


 2015年に東京江戸川区の縄問屋でサイザル麻紐(直径約3mm)2kg程を購入している。二人で綱

引きをしても切るには容易でなく獅子頭用には充分な強度であるが、取り付けた際に白く目立ってし

まうのが玉に傷で、獅子頭を取り付けた後に墨汁や黒のサインペンで塗り潰してしまう方法も目撃し

ている。以前やはり30年前だろうか、獅子幕の取り付け紐を藍で染めた獅子を見た記憶がある。

昔はあちこちに染屋さんがあって紐の染めも容易にお願い出来たのだろう。



 長井の本町の手芸店があり、有害指定化学物質を含まないエコな染料を販売している。

以前、その紺の染料を使ってサイザル麻紐を濃紺に染めようと挑戦したが、染めムラが出て失敗し

た、今日は黒で染め直ししてみた。熱湯で適量の染料の粉を溶かし、大きめの容器にぬるま湯を入れ

溶かした染料を入れ、水に浸しておいた染めたい紐を入れて染める。しばらく放置して適量の塩を入れ

定着させる。後はある程度すすいで、中性洗剤で洗い色落ちが無くなるまですすぐ。乾燥は黒い洗濯用

のネットに入れて洗濯機で脱水(かなり大雑把な自己流なので添付の説明書きを熟読下さい)。

麻紐は丸い束にしたままに染めると色ムラが発生するので工夫が必要。(勉強中)


 サイザル麻とは竜舌蘭の繊維で作った紐で、他にマニラ麻製の物があるが、伝統と歴史ある青苧の繊

維で獅子頭用の紐を作ってはどうだろうか? 夏場、獅子宿の周辺には多年草の青苧が背丈ぐらいまで伸

びて草刈りで苦労する。それを、皮を削いで繊維にして紐にするのだが・・・口で言うのは容易い。







2023.04.06:shishi9:[コンテンツ]

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