また珍しいお客様達が訪れています。
こちらも小振りの獅子頭の修理依頼です。
最初は先日、天童からおいでの依頼主からお預かりしている桐製の黒獅子頭。こちらも明治か江戸期まで遡る
風格です。見立ては鶴岡市金峰山六所神社所蔵の六獅子の二頭に似ています。こちらの獅子頭は古いもので
天平六年(1351),永享二年(1430)、室町期、桃山期、そして獅子かしらの様式がガラッと変わった江戸期
と昭和三年の獅子頭が所蔵されています。その江戸期と昭和の獅子頭の様式に類似しているようです。
山形の宝 検索Naviより
特徴ある耳が欠損していますが、眉毛や目鼻、巻毛や歯など共通点が見られます。耳穴が大きく耳の軸を頑丈に
作って破損に備えていたと考えられます。口角を上げて微笑んでいるような表情。脳天には縦長のホゾがあるこ
とから何かが取り付けられていたと思われます。私のコレクションに、この獅子の作風と似た獅子があり、同じ
作者の可能性があります。六所風の小獅子は奥行き寸法18cm高さ13cm幅19cmで、それと同じような寸法の獅
子頭です。見比べると、じわーっと同じ作風である事を感じてきますが皆様は如何ご覧になりましたか?
コレクションの獅子頭
作風が共通している三頭
更に六所神社風の小獅子と似た神社例祭使用級の一対の獅子頭も別ルートでコレクションに加わっています。
確か大正期の記名だけが残っていました。
さて、類は類を呼ぶようです。実は六所風小獅子が訪れる前に、また小獅子がやって来ておりました。年代作者
不詳の風呂敷幕の付いた元長井市十日町にあった獅子頭です。
総宮神社型の小振りの黒獅子ですが、作風は広野観音で発見した、眉や目が遠藤盛助風のお獅子です。
歯や細部の作風い塗りも若いので違うのですが、何か引っ掛かります。
広野観音に寄贈された遠藤盛助の作の獅子
ケヤキ材で、塗り替え改造した跡もあり、タテガミは化学繊維と思われます。盛助の作の可能性は少ない
ですが、もう少し眺めていると語ってくれるかも知れません。
これから化粧直しをして仕上げます。
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