6月に入り相変わらず取り憑かれた様に獅子彫りを進めている。
幸いにも山形県はコロナ感染者のニュースも一ヶ月以上耳にしない。その分、人の動きも制限され
店も静かで時を刻んでいる。
飯豊町のとある神社の獅子頭は明治期の小関久蔵氏の作である。比較的幅が広く、大きな目は真正面
を睨んで存在感のある作品である。この小関獅子をモデルに制作を始めた。木地は先日木取りしてお
いた樹液も滴る生木で、移動して安置している時に葉が出て生い茂った程に生きが良い。米沢の鬼面
(おもの)川河原の産の柳で、正に天からの授かりものである。この貴重な材を無駄なく活用するべ
く取り憑かれた様に制作している訳である。
ただ、この材は成長の過程で芯付近に元からずっとワレが入っている。太い部分の芯付近は外して木
取りしているので問題は無いが、別の獅子の比較的細い部材の前歯付近に、このワレが入り簡単に剥
離してしまった。まぁ、前歯は破損防止で補強するので問題ないのだが・・。
昨日の制作は乾燥を促す様に内部をえぐった。この作業は生木の状態だと比較的たやすいが、乾燥し
てくると一気に材に粘りが出てきて苦慮するので、今がはつり時である。ノミやチェーンソーを駆使
して頭部だけで6.3kg、顎は3.4kgとまだまだ重い。耳を乾燥した桐で作り、ホゾ穴を開け終了した。
そして何時もの様に自宅に持って帰り、晩酌の肴・・恒例の反省会である。
同じ黒獅子でも作者によって、こんなに違う表し方があるのだろうと感心する。
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2023.10.05 (獅子宿店主)コメントありがとうございます。
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2023.09.22 (タイム風呂敷)神主様の件
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2020.11.10 (鬼喜來のさっと)追記
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2020.11.10 (鬼喜來のさっと)お返事有難うございます。
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2020.11.05 (獅子宿店主 渋谷)鬼喜來のさっと 様
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