東大塚の獅子頭

  • 東大塚の獅子頭
現在、先月から川西町東大塚羽山神社の獅子頭をお預かりしている。





作者は昭和初期宮内町の彫り師 菊地熊吉氏の作である。いささか小振りのサイズだが目力が有り睨みの効いた
獅子頭で、記名は無く制作年月日は不明である。鼻髭や頬毛が有り、総宮系成田五十川風の獅子頭の特徴を取り
入れている。熊吉氏の獅子にしては耳が長大な点が豪快で面白い。前に特集した宮内町熊野大社所蔵の三獅子型
の様式で、脳天に円盤状の鏡を頂いている形は本獅子と共通している。







仮説だが三獅子の一頭は幕末期、米沢の大仏師 桂八郎氏が制作し、それを基に明治期宮内町の彫り師 小関庄左衛
門氏が一対の獅子頭を制作したのではないかと推測している。熊吉氏は何故か、その形にこだわり獅子頭を作り続
けた。隣の高山地区の三島神社の獅子頭も同型で熊吉氏の作で、他に堀金の熊野神社にも同氏の作が所蔵されている。


川西町高山の三島神社の獅子頭


2020.05.13:shishi8:[コンテンツ]

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