川原沢巨四王神社の獅子踊り絵馬

  • 川原沢巨四王神社の獅子踊り絵馬
長井市史に川原沢巨四王神社の獅子踊り絵馬の写真があり気になっていた。

長井の獅子踊りは現在、勧進代、平山、五十川、河井に伝承されているが河井は休止したまま復活の見込

みは薄いようだ。子供の獅子踊りは豊田小学校、平野小学校、致芳小学校で継承されている。

巨四王神社獅子舞の元警護に案内をお願いして拝殿の絵馬を見せていただいた。

絵馬をよく見ると赤い獅子頭である。現在の獅子踊りの頭は全て黒で意外だった。顔付きも異なり、頭に付

いている羽根は無く、赤系の生地に唐草模様が染め抜かれて華やかだ。衣装も袴の足元が細くなっている

タッツケ袴である。

現在のように上下黒でなく上の着物は緑、袴はうっすら赤み掛かった色合いだ。

上杉藩からの緊縮財政で、衣装も野良仕事の衣装で踊るようにとお達しがあったと聞くが、現在の方が地味

で絵馬の衣装はなんと華やかだろう。

絵馬には記名があり天保五年(1834)願主 六蔵とある。

川西町小松豊年獅子踊りの古い獅子頭も赤い獅子頭で現在は黒になっている。

川原沢の獅子踊りの絵馬は、置賜でも少ないので大変貴重な存在だろう。











その他、拝殿には多数の写真と奉納札が展示され、その中に一枚の記念写真に目が止まった。

昭和31年の獅子舞の記念撮影だった。





現在の獅子幕は明治期に奉納された多色染めの鮮やかな獅子幕を復元したもので、置賜でも類を見ない

美しく見事な獅子幕である。唯一多色染めの波模様についての由来は不詳だが、その幕は明治期で使用は

途絶えたと考えられていた。





平成17年5月1日






いよいよ獅子頭を保管している所蔵庫を拝見した。


他に四頭 若い順に




平成五年八月 太田康雄の作 太田氏特有の表情を抑え、竹田吉四郎寄りの獅子に仕上げている。



現在こちらの神社の昭和8年の竹田吉四郎の作 塗師 齋藤清三郎 の獅子頭が工房に入院中



塗り替えの為奉納年月日不詳 作風から竹田吉四郎の作




明治二十五年四月 小関久蔵の作  塗師は齊藤 藤三郎



塗り替えの為奉納年月日不詳 作風から小関久蔵の作  


まとめると小関久蔵の作が二頭 竹田吉四郎の作が二頭 太田康雄の作が一頭ということになる。
2018.10.11:shishi7:[コンテンツ]

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