南陽市漆山神社の獅子頭

  • 南陽市漆山神社の獅子頭
飯豊山がクッキリ見えて神々しい、本日は南陽市漆山神社の獅子頭の取材である。

漆山小学校の西に羽付の稲荷神社がある。



地元の製糸業が盛んだった頃大いに栄えた神社だった。




その東に漆山神社があり、宮司である島貫氏にお願いして獅子頭を拝見した。

一木くり貫き造りの神楽獅子で、軽く作られ被って舞う様式の獅子頭で幕は古くなり無くなっ

ている。頬の巻き毛が彫り上げた巻き毛に描いた巻き毛を加えているのが面白い。

詳細不明の赤い神楽獅子であるが、あまり使い込んだ様子は無く中に記名も無い。









以前の宮司であった松山 東氏宅が焼失し、更に神社が雪崩で崩壊した事もあり、

その神社や獅子頭の歴史由来は不明になったそうだ。

雪崩で崩壊し解体した神社の部材は、移転再興され福島県三春舟引町の今泉神社となって甦っ

たそうである。

部材を荷車に積み馬に引かせて三春まで運搬したのだそうだ。



その後、漆山神社は合社し再建され現在に至る。

ご本尊は神殿の木造聖徳太子像である。こちらも拝見し撮影させていただいた。

彩色鮮やかで神々しい姿である。

最近まで秘仏だったが、あまりに美しい姿なのでご好意に甘えてご紹介したい。





衣装には載金(きりがね)という技法が施されている。

載金は薄い金箔を重ね焼いて、細く切り接着しきらびやかな模様を表現する技法だ。

米沢柳町の仏師 遠藤治三郎 明治三十八年の作。


信仰の深さ故、秘仏という習わしもあり置賜には知られざる美しい仏像、彫刻や建築の神社仏

閣が数多く残されているが知名度や関心は高くない。

故郷の隠れた文化を発掘し、知らしめたいものだ。


2016.05.13:shishi5:[獅子彫り日誌]

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