未知の獅子頭との出会いは心トキメクものだ。
また今日も出会いがあった。
定休日の午後から白鷹の山口地区へお邪魔した。
来月お祭りの山口羽黒神社の総代のお宅に、お借りしていた獅子頭の返還だ。
山口地区には四箇所の寺社で獅子舞があり、総代の地区の薬師瑠璃光如来堂に伝わる獅子頭の
修理の見分もあった。
返還後、薬師堂の獅子頭を保管しているお宅にお邪魔した。
赤外線カメラで撮影し見ると、なんと文政十三年(西暦1830年)と獅子頭の箱に記名があ
る。
186年前から一度も塗り替えしていない保存状態の良い獅子頭と思われる。
タテガミも金髪に変色しているが現存している。
眼に珍しい凸のガラスが嵌め込んであり、
耳と眉毛に多少の破損だけで186年も受け継がれてきたとは思えない状態である。
見分の後、薬師堂に訪れてみたが、外見は彫刻も無く地味である。ところが内部を覘くと
保存状態のいい獅子や貘や鳳凰の彫刻、絵馬も確認出来た。
獅子頭の後ろから見ると気づく事があった。
木口付近の作り方が長井の獅子頭に見られる特徴があるのだ・・・。
自分もこういう作りをするのでわかる。軸穴付近の割を考慮し厚く仕上げている。
年代を見ると長谷部吉之助でも無ければ平吹でも無く梅津弥兵衛でもない。
拝殿を調査し獅子頭の奉納札など発見出来れば作者が分かるかも知れないので興味深い。
白鷹で文政13年の獅子見分
2016.04.14:shishi5:[獅子彫り日誌]
この記事へのコメントはこちら