精のノート
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ある少年の思い
今日、避難者の方がいる市営体育館である少年に出会った。
僕がお手伝いをしているボランティアグループ「クレヨンネット」のお絵かきイベントでだ。
今日は数名の子ども達が来て、思い思いに絵を描いてくれたのだが、その時に一人の男の子と仲良くなった。
彼が絵を描いている傍らに座り、筆をとってあげたり、水を換えてあげたりしていた。するとだんだん仲良くなり、いろいろ話してくれるようになった。
今描いている絵のこと、妹のこと、お父さん、お母さんのこと。
いろんな遊びに行った時の思い出も話してくれた。
「放射能怖いよ」
と言いながら絵を描く姿に僕は言葉を失った。
「今度小学校行くんだ」
という言葉に、かけるべき言葉が見つからなかった。
そして、彼の言葉をただただ聞いていた。
でも、彼は
「僕ね、大丈夫なんだ。モンスターをやっつけるんだ。」と言ってくれた。
「どうして?」と聞くと、
「お父さん頑張ってるよ。
お父さん、今日も相馬に仕事に行った。夜遅く帰ってくるけどお父さん頑張って るもん。」
驚いた。
すごいなあ、こんなに小さいのに、しっかりとお父さんの気持ちを受け止めているなあと感心した。
彼は色んな思いをしながらも、その小さいな胸にお父さんの思いをしっかりと抱き、前を向いているんだなあと感動した。
帰る時、「また来るよ」と言って手を振ってくれた彼の姿に、
「ありがとう」
と温かい気持ちで答えることができた。
今日はなんだかホッコリとした気持ちになれた。
彼は僕に
「頑張れよ」
と伝えに来てくれたのかもしれない。
2011.04.05:
sei36
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