精のノート

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2010年、初めてアフリカ大陸でサッカーワールドカップが行われる。
それも僕の任地、ザンビアからほど近い、南アフリカでだ。

もう今から楽しみで仕方がない。
許されるならば行って現地で現地の人たちとあの熱狂の渦の中で楽しみたい。

サッカーは世界共通語だ。

僕もサッカーをしていたからこそできたことがザンビアではたくさんある。
好きなサッカーを指導できたし、そのことで多くの子ども達と出会った。

その中の数名は本当によく成長し、プロにまでなった子もいた。
そして彼らから教わること、彼らに思い知らされたことも多かった。

サッカーができたことで学校の子ども達ともすんなり溶け込むことができた。
休み時間は彼らと一緒にサッカーで遊び、仲良くなった。
すると彼らは僕に現地語を教えてくれるようになったし、困ったことがあると助けてくれた。

何よりサッカーを通じてたくさんの人に出会い、友人になった。
ガンバ大阪のジュニアユース・ユースであの稲本達と全国で活躍したサッカー隊員。
アルゼンチンでサッカーのコーチのライセンスを取得したサッカー隊員。
マンチェスターユナイテッドU−14のコーチだったイギリス人。
ザンビア代表監督とコーチのフランス人。
ザンビアフットサル代表監督のイタリア人。

なかでも仲良くなったのがフーマンというイラン人だ。
彼はまだ幼い頃、政情不安定だったイランからお父さんに連れられてザンビアに逃げてきたイラン人だ。
サッカーが好きで毎週水曜日に一緒にフットサルをしていたし、サッカーの試合も見に行った。
マンチェスターユナイテッドの熱狂的なファンで、試合の時にアイリッシュパブで絶叫する彼の姿をよく見かけたものだ。

かれはとても優しく、懐の大きな人だった。
英語の苦手な僕でもなぜか一緒にいると安心感を持ったことを覚えている。
ある日僕がザンビア人に
「お前みたいな肌の色のヤツなんか相手にしてないんだ」
と人種差別発言をされた時、一緒にいた彼は僕以上に憤慨し、
「肌の色にどんな意味があるって言うんだ!お前もフットボールが好きで俺も好きだ、こいつもフットボーラーだ!それだけだ。仲間なんだよ!!」

と説教してくれた。
本当に嬉しかったし、なにより彼が大切な仲間として僕を受け入れてくれていたということがとても嬉しかった。

僕のフットサルを見に来た時も、スタンドから
「俺たちはもっとこのサムライのプレーが見たい!!」
とほかの観客にたきつけるように叫び、応援してくれた。

帰国間近、彼は僕に送別フットサル試合を企画してくれ、
試合後に
「あのフットボールライフが懐かしいな。
グッドパーソンにグッドフットボール。最高だったよな!」
と言ってくれた。

もう一度彼とプレーを楽しみたい。
そしてあの時、興奮していて言えなかったお礼を言いたい。

「フーマン、ありがとう。
きっとお前も人種のことではいろいろあったんだろう。
だから人を大切にし、優しくなれるんだな!
いつか日本に遊びに来いよ!そん時はフットサルだぞ
You are really good guy!!」

写真の右端がフーマン。
その隣はフットサル代表監督のイタリア人。
2010.01.14:sei36:count(1,435):[メモ/コンテンツ]
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