精のノート

精のノート
ログイン

ザンビアはサッカーが盛んだ。
代表チームはチポロポロ(弾丸)という愛称で呼ばれ、アフリカネーションズカップではベスト4に入った。

バーやパブではテレビでいつもヨーロッパのサッカーのビッグゲームが放映され、人々はビール片手にお気に入りのチームを応援している。

僕もよくローカルバーへ足を運び、ザンビア人たちとサッカー談義に花を咲かせた。

だから多くの人々は有名なサッカー選手を知っている。

ある日、僕はいつものようにいつものような服装でバーへ行き、ヨーロッパチャンピオンズリーグを観ようと思っていた。
ただ、髪型だけはいつもと違って、ドレットに編んでいた。

すると、

すると、バーに入るや否や、
ピューピューピューという口笛と共に
「ワオーーーーーー!!!」という歓声が上がり、

ついで
「ロナウジーニョ!!!ロナウジーニョ!!!」という連呼が始まった。

ザンビア人が言うには、僕がロナウジーニョにそっくりだというのである。

僕が
「お前らのほうがよっぽどロナウジーニョみたいじゃねえかよ!!」
というと、
「いや、お前はまさにロナウジーニョだ!今、試合に出てなくて良いのか???」
と冗談をふっかけてくる。

もうしばらくはテレビ観戦どころではなくなった。

そして、驚くことに、その日から、ただ街を歩いているだけでも、全然知らない通りすがりの人にまで
「ロナウジーニョ!!」
と呼ばれるようになった。

前から歩いてくるラスタ(ドレットにしている男性をラスタと呼んでいた)も
僕を見ると微笑みながら
「ヘイ、マイブラザー!」
と言いながら、ラスタ同士に交わされる特有の挨拶をしてきた。

確かに、確かに日本にいてもロナウジーニョに似ているとは言われていたが・・・・。

これでサッカーをしているともう大変。
付近からロナウジーニョがサッカーしていると多くの人が駆けつけてきてある意味見せ物になってしまった。

そんな僕を教え子の子どもたちは
「コーチはロナウジーニョみたいに上手いからそう呼ばれていて僕たちも嬉しいよ!」
などと涙が出るようなことを言ってくれた。

ああ、もう一度あの子たちとサッカーをしたい。


2010.10.20:sei36:count(1,564):[メモ/コンテンツ]
copyright sei36
powered by samidare
community line
http://tukiyama.jp///
▼コメントはこちら

名前

件名

本文

URL

画像

編集/削除用パスワード
※半角英数字4文字で自由に入力下さい。


手動入力確認イメージ
※イメージ内の文字を小文字の半角英字で入力して下さい。



 ※ 投稿後、すぐに反映されます。
powered by samidare