精のノート
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マダリソの思い出 ペパーニ
「文句言う前にカバーしろよ!!!!」
「お前のミスなんだよ!!!」
ある選手に怒鳴り続けた言葉だ。
彼の名はムウィレ。15歳。
ザンビアでサッカークラブを立ち上げた時からいる子で、U−17しかなかったときにはあまり試合に出してあげられなかった子だ。
それでもサッカーが好きで僕によくなついていて、いろんな話をしてくれた子だ。
練習には毎日来て、僕が技術的なアドバイスを送ると嬉しそうににっこりを笑っていたことを思い出す。
負けず嫌いで向上心があったため、技術的にはよく伸びた。だからU−15のカテゴリーができたときには彼をチームリーダーとして考えていたし、たまにU−17の試合にも出していた。
ところが、いつから彼の笑顔を見なくなっただろう。
確かに技術的にはうまく、ドリブルも上手でなかなかボールを奪われない選手だった。体を張ってディフェンスもするので、まさにチームの核になれる子だ。
でも僕はそれ以上のことを彼に求めた。
それはチームのリーダーであること。
彼は上手だが、人によく文句を言うのがとても気になった。
ディフェンスやキーパーのミスで点を取られた時も必ず彼は文句を言ってチームの雰囲気を悪くする。
だから
だから僕はリーダーとはどういうものか彼に理解してもらいたかった。
当然、彼に対する要求は厳しくなる。
人がミスしたときも、「それをカバーしろ」
人のミスを責めるのではなく、「サポートしろ」
「自分に厳しく、チームの責任を考えろ」と言い続け、試合中、練習中と怒鳴り続けてきた。
当然練習以外にも彼とは話をして、自分の気持ちも伝えてきた。
彼が試合中、文句を言ってチームメイトと喧嘩になったとき、僕はタイトルがかかっていたにも関わらず、迷わず彼を交代させた。
それよりも大切なものがあると信じて。
リーダーとして率先してチームを引っ張り、謙虚に自分のプレーを反省し、仲間を大切にする。そんな姿勢を彼に持ってもらいたかった。
でもそんな厳しい僕の要求についていけなくなったのだろうか。
いつしか彼が練習に顔を出さなくなってきた。
気付いた時には彼はバーでビールを飲むようになっていた。
あんなにサッカーが好きで、プレーするのが好きだったはずなのに。
おそらくできない自分にストレスを感じたのだろう。
彼の気持ちを理解できなかったこと、支えてあげられなかったことにとても悔しい思いと、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
何時か彼が
「セイ、これをもらってくれ!おれの気持ちだ。」
と自分のお気に入りのネックレスを渡してくれた時があった。
そんな彼を台無しにしてしまったことに後悔と、力の無さを感じている。
いつか彼に会って「ペパーニ(ごめん)」
と謝りたい。
そして一緒にボールを蹴りたいものだ。
赤いシャツがムウィレ
2010.02.12:
sei36
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