精のノート
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マダリソの思い出 ライスって???
協力隊活動の目的は知識の伝播である
というわけではないが、せっかく行ったのだからマンパワーとして働くだけではなく、自分たちが持っている知識や経験を伝え、自分たちが帰国してからも任国の人々が今度は自分たちでやっていけるようになって欲しいと願うのは当たり前のこと。
そういったことを持続可能な援助という。
だから僕も授業つくりやHIVについてのワークショップを数回行った。
そういったワークショップの中でライスについて教えた。
と言っても別に日本人だから米作りについて教えたわけではない。
ここで言うライスとはRICE処置のことであり、怪我をしたときの応急処置について講義をしたのだ。
ザンビアの体育の授業の実施率は非常に低く、体育が時間割に組み込まれているにもかかわらず、5%ほどの学校でしか実施されていない。
さらに最近になって体育が正式な科目としてシラバスに載ったため、ほとんどの先生は体育というものを経験したことがなく、よって、体育の重要性や良さを知らないし、体育をやれと言われても出来ないのが現状だった。
だから、体育隊員とチームを組んで体育普及活動を行った。
その活動の一つとして体育についてのワークショップをやってきた。
その中で必ずRICEについて触れるのだが、毎回面白い経験をした。
Q「足首を怪我をしたら真っ先にどうしますか?」
A「動かしてみてちゃんと動くかどうか確かめる。動くようなら」
Q「捻挫をしたときどうしますか」
A「お湯で温める」
Q「RICEについて知っていますか」
A「米。あまり好きじゃない。シマのほうがエネルギーになっていいよ!」
「そうだそうだ!シマはいい!怪我したらシマを食べろ!」
なんていうやり取りがしょっちゅうだった。
そのたびに苦笑いをしながらも怪我をしたらすぐにお湯で温めたほうがいいと全く反対なことを信じているザンビア人を微笑ましく思った。
いったい今までどうやって怪我を治してきたのやら。
それでもRICEについて話をし、おまけに簡単な腕のつり方や添え木をあてて固定することなど教えると喜んでくれた。
喜びすぎて自分で布切れで腕をつって、そのまま帰る先生もいた。
そのザンビア人の小さな喜びに、我々日本人は大きな喜びを感じていた。
写真はRICEについて説明する体育隊員
彼女とチームを組んで市内でこういったワークショップを行ったり、地方へ出かけていって体育のデモンストレーションを行ったりしてきた。
2009.11.26:
sei36
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