精のノート
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マダリソの思い出 ページング
アフリカだから携帯電話なんてないだろうとみんなは考えることだろう。
でもアフリカだから携帯電話が普及する。
つまり、インフラが整っていないため、電話線を整備するより携帯を使ったほうがはやいのだ。。
ケニヤでは携帯を使って狩りをするマサイもいるそうだ。
ザンビアでも例にもれず町中に携帯があふれている。
電気水道のない村に住む人でも携帯を持っている。
(そこにはほとんど電波が入らず意味があるのかと思うが)
スラムに住む僕の同僚や友人たちも携帯を持っており、日本人と同じように新型の携帯電話などに関心が高い。
ただ彼らはやっぱりお金がないから通話とちょっとしたSMS機能が付いただけの携帯を持っている。(それすら買えない人ももちろんいるが)
ザンビアの携帯はプリペイド式で通話カードを買い、そのユニットを携帯に入れるとその金額分使用することができる。
でもやっぱり彼らはお金がないからカードを買えない。だからほとんど自分から電話することができないでいる。
そこで彼らがよくやるのはページング。日本でいうワンギリってやつだ。
最初僕はそのページングが嫌いだった。
なんなんだよっていっつも文句を言っていた。
でも彼らの習慣を知ると気持ちが楽になった。
ザンビア人は用もないのに電話する。僕が電話しないでいると「お前はどうして電話してこないんだ」と言われる。
「特に用事がないからだ」と答えても納得してもらえない。
これには少し面食らった。
でも彼らは電話する。
ただ「ハロー」と言うためだけに。
電話をする。
「ハロー、元気?」
「元気だよ」
それを確かめるためだけに電話をする。
お金がない時はただページングをする。
だからこっちもそれにこたえるときにはちょっとページングをすればよい。
ただそれだけ。それで十分。
でもそれだけで相手の気持ちが伝わってくる。
自分を思いやってくれている気持ち。
「I just call to say hello!」
「I know, you always give me a call just like that.」
「How are you doing? OK?」
「Yup, am OK,thanks. How about you?」
「I'm fine. I miss you」
「I miss you,too. See you.」
「OK,bye.」
そんな会話が懐かしい。
ふと誰かにページングしてみよう。
元気か、お前に会いたいよ、という気持ちを乗せて。
2009.11.16:
sei36
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