精のノート
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マダリソの思い出 My Brother
僕の活動の一つにユースクラブでのHIV予防啓発活動というのがあった。
地域の有志若者がセンターのユースクラブに籍を置き、彼らが中心となってHIV/AIDSの予防を地域に住む青少年に呼びかけるための活動を行うというものだ。
レクチャーをやったり、ドラマ(寸劇)やポエム、歌を作って発表したり、グループディスカッションをしたりしていた。
毎回ユースメンバーが集まり、レクチャーのレッスンプランを考えたり、ドラマのシナリオを考えたり練習したり、どうやって人を集めるか作戦を考えたり。
それは楽しい時間を過ごすことができた。
ユースの連中は皆真面目で優しく、謙虚だった。そしてとても優秀だった。ザンビアにこんなに優秀な若者がいるんだなあと感心させられた。
特にリーダーのサムは21歳にもかかわらず非常に大人でしっかりしており、学校の成績も(学費の問題で彼は途中で学校をやめており、当時グレード11、日本でいう高校2年生だった)毎回学校でトップであるほど頭も良かった。
彼は非常に優秀でリーダーとしての資質も大変なものがあり、いろんなアイディアをユースクラブに持ち込み、持ち前のリーダーシップを発揮して周りのユースを動かし、多くの活動を行ってきた。彼の作った歌などを聴いても豊かな才能を感じた。
サッカー好きでチェルシーファンの彼はすぐに僕と仲良くなり、サッカークラブのアシスタントとしても活動をバックアップしてくれた。
毎日のように昼にシマを一緒に食べ、夢や希望を語り、サッカーの話をし、そのたびに彼がどれほどこの国を憂い、人々に貢献したいか、その思いが伝わってきた。
ある日僕が活動に向かう途中、他のスラムの中で人種差別的な侮蔑の言葉を浴びせられ、石をぶつけられた時があった。
僕はもう涙が溢れそうになり、非常に落胆し、憤り、悲しみで胸がいっぱいになった。
その時彼は僕の手を握りしめ、
「セイ、ソーリー。そんなことがあったなんて僕もとても悲しいよ。でも忘れないでくれ、僕たちは君を歓迎してるし君の存在がどれだけ僕らにとって大切なことか。できることならずっとここにいてほしいと思ってるんだ。だって僕にとっては兄弟みたいなものだから。」
と優しく伝えてくれた。
その時の彼の真剣なまなざし、口調、手のぬくもりを僕は忘れることができない。
どれだけ嬉しかったことか、どれだけ勇気づけられたことか。
そんな彼とHIVに関する広域研修というものに一週間参加し、同じ部屋で寝泊まりできたことはいい思い出として心に残っている。
彼は残念ながら僕の任期中に学校が変わり、遠くの村に行ってしまった。
それでも何かあると彼と連絡をとり、アイディアをもらったり与えたりした。
今ふと思う。あの時彼がいなかったら僕は途中で任期を終えてしまったかもしれない。活動を充実したものにできたのは彼のおかげだと感謝している。
兄弟だからきっとまた会えるだろう。
2009.11.13:
sei36
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