小口昭さんの「長井線の今・昔」の発行は平成26年(2014年)11月とある。長井市制施行60周年、長井駅までの開業100周年でスマイルプロジェクトが展開された年である。小口さんの胸に何かしら期するものが生まれたとしても不思議ではないように思う。息子さんからは、「父はこの冊子の準備をしている最中に脳梗塞で倒れ、その後の校正作業は私がやることになった。」と教えられた。
父子の共同作業として完成した写真集の最後のページに載せられたのが上の写真である。「現在長井線に在る防雪林は羽前成田駅と蚕桑駅の2か所しかないので文化財的価値があり、時庭駅や長井駅のように切らないで残しておきたい」とのコメントは、小口さんのメッセージのように思える。
「成田駅100年物語」を書き続けてきて、小口さんの本に出会えて本当によかったと思う。さて小口さんは成田駅開業100年の年に何を思い、頼りない「おらんだ」をどんな風に見ているのだろうか。
【おらだの会】「長井線の今・昔」の紹介は、今回で最後となります。また遺作展も9月4日(日)、午後3時で終了となりますのでご注意ください。