停車場を降りれば ⑪成田の財閥・佐々木家

 さてさて,成田街道を少し歩いていくと,大きな茅葺きの家が見えて来ます。佐々木家です。
 佐々木家の祖先は,もともとは新潟県新発田市の武将でした。それが,上杉景勝との戦いで敗れ,隣町の白鷹町の山間の部落に,身を伏せていました。その後,上杉家が米沢に威風される時代になり,昔の敵であったことも薄れた頃に,成田村に出てきたのだそうです。
 佐々木家は商才の才覚にあふれ,次第に頭角を現し,大いなる財閥になり,米沢の殿様が佐々木家に滞留する御本陣となり,資金の提供もするまでになりました。明治の時代になると,佐々木家の当主は貴族院議員ともなり,地域の殖産興業にも尽力したのだそうです。今は,その子孫は成田にはいませんが,その家は今でも歴史の重さを伝えているようです。
2012.08.09:orada:[停車場を降りれば]