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ながいまちなみ物語 古地図編2

  • ながいまちなみ物語 古地図編2

新シリーズです。長井の街並み編。第1回から数回、古い地図が出てきます。

 

大正元年ころの小出地区。上が西を示す。駅前通りから南側の地図。

 

①羽陽館製糸場 明治7年から操業、以降規模を拡大している。明治末には経営者が変わっている。

 

②裁判所 明治23年8月1日、長井区裁判所が設置されている。大正7年には廃止され、米沢区裁判所出張所となった。

 

③長井郵便電信局 旧小池医院の北側にあり、明治36年4月に新築された。当時は郵便事業と電信事業を合わせて実施していた。

 

④松ケ池公園 明治29年に開設。つつじ公園と呼ぶようになったのは明治43年で「花作の七兵衛つつじ」を移植完了した年。

明治43年当時

 

⑤白山神社・長遠寺

 

⑥横山製糸場 三由軒製糸場は、明治20年7月開業、四ツ谷に工場を新設したのは明治28年。昭和17年の企業整備令まで続いた。

 

⑦薬師堂

 

(資料:文教の杜、長井市史) 

2014.07.23:n-old:[歴史的建造物]

ながいまちなみ物語 古地図編1

  • ながいまちなみ物語 古地図編1

新シリーズです。長井の街並み編。第1回から数回、古い地図が出てきます。

 

       大正元年ころの地図  駅前道路から北側部分

 

大正元年頃の地図です。概ね宮地区で、上が西を示します。現在とだいぶ道路網が違います。当時の道路では、駅前通りやグンゼ通り、成田に抜ける道路はありませんね。

①品評會場 議事堂・郡役所・織物検査所

  ・郡会議事堂・・・明治44年10月。

  ・西置賜郡役所・・・明治11年11月。

  ・元郡会議事堂(織物検査所)・・・明治20年度。この建物が手狭に老朽化したため明治44年に郡役所北側に新築した。

 

明治44年以降の絵葉書。北に郡会議事堂、中に郡役所、奥に元郡会議事堂が。

 

 品評會場の表示は、大正元年11月に「山形県織物同業組合連合会品評会」がここ文教の杜を会場に開催されていることが、関係してるかもしれない。

 

②偕楽館(かいらくかん) 明治34年創設。宮公園の入り口に。花道・桟敷・枡席を備え多くの楽しみを提供したが、大正3年の改装の後、天童の業者に買い取られた。

 

③宮公園 現在のあやめ公園高台。あやめ公園と呼ぶようになったのが明治43年だが、地図上では宮公園を使用している。

明治41年当時の宮公園

 

④遍照寺・普門坊・總宮神社  現在と変わらないが、屋根が茅葺だった。

 

⑤十日町郵便局 明治41年2月1日に長沼酒造向かいに。昭和27年まで。

 

⑥税務署 明治26年12月1日に長井収税署として設置、翌年に長井税務署に改名

 

⑦長井警察署 明治14年11月24日に開業、大正9年まで。洋風建築三層造りで三階は望楼で警鐘台となっていた。

 

⑧常楽院 現在の建造物は二代目。初代は大正6年5月3日の大火で焼失している。

 

⑨町役場 明治27年に新築された。それまでは、摂取院・念仏堂と間借りした役場だった。

 

⑩長井学校 明治15年、宮小出小学校として新築。名前が、平章・高等尋常小学校・尋常高等小学校とかわり、軽便鉄道が長井に来るまでこの位置にありました。

明治43年の写真。左が小学校、右に盲学校

 

⑪私立置賜盲学校 明治43年4月、竹田嘉蔵氏が立ち上げた盲学校。下長井唯一の慈善公益事業だった。

⑫摂取院

 

(資料:文教の杜、長井市史)

 

  

 

2014.07.22:n-old:[歴史的建造物]

長井古写真物語 80 長井市章

  • 長井古写真物語 80 長井市章

古写真から情報を読み取ります。長井の昔を楽しんでください。「長井市文教の杜」に保管している古写真のコレクションを紹介します。

 

  長井といえば「あやめ」です。あやめは、長井市の花にもなっていますが、市章もあやめがデザインされています。デザイナーは長井市出身の長沼孝三氏。昭和38年10月17日に決定されました。今年は長井市制60周年にあたります。昭和29年11月15日に一町五カ村が合併、長井市が誕生します。しかし、当時は市章がなく、9年後にようやく作られました。当時、市章となったデザイン画のほかにも候補がありました。どのような経緯で今の市章となったかはわかりませんが、これまで見つかったデザイン画を紹介します。

  

    市章に決定したデザイン画

 

 

以下選にもれたデザイン画です。

 

 

 

最後のデザイン画には注意書きがあります。右側には

スぺニングを▸ 上向きに   末広がりの   力強く羽バタク鳥を形どり   長井市の発展性を表現す。

右側には

ポイントは▸ 「な」をデザインし、  幾何学的にして  常に正しい市政、たゆまぬ進歩  円満な市政

 

長沼氏の制作意図が書き込まれたものと思います。

これでようやく市章が決定し、市旗や徽章等に使用されました。

 

 

2014.06.24:n-old:[歴史的建造物]

長井小紫と長井古紫

  • 長井小紫と長井古紫

 長井のあやめが咲き競う季節を迎えました。園内には紫や薄紫、淡い白色など艶やか色彩にあふれています。長井市あやめ公園の最大の特徴は「長井古種」が大切に保存され、その群生美が楽しまれるところにあります。現在の花菖蒲改良種と野生の野花菖蒲の中間に位置するのが長井古種。種類は34種、その内13種が長井市指定天然記念物になっています。ほかに、長井古種を親に持つ「長井系」が24種があります。

 

 近年、全国で長井古種の「長井小紫(ながいこむらさき)」と「長井古紫(ながいふるむらさき)」が混在している状況がでています。その違いを表してみましょう。

 

             長井古種「長井小紫」

 

             長井古種「長井古紫」

 

たいへん似ていますが、その違いを紹介します。

■特  徴 

長井小紫・・・・・瑠璃紫紺色で引き込まれそうなふかみのある色合いの小中輪。色の良さと風情が随一です。外花被(大きく下がっている部分)に黄色の目が細長く入っています。内花被(立ち上がっている小さな部分)は外花被と同色で花弁の中心に一本白い筋が入っています。花柱は白色で外側に外花弁と同色の覆輪が入っています。花期は早中生。

 

 

長井古紫・・・・・外花被は明るい青みを含む紫地に紫脈が入り、内花被は赤味のある紫で花柱は濃い紫。咲き始めがビロード紫のように輝き、次第に青みが薄らいできます。花期は早世。

 

 一番わかりやすい判別は、立ち上がっている「内花被」に白の筋が入っているかです。入っている花が「小紫」、入っていない花が「古紫」です。色も瑠璃色というくらい、角度を変えれば光によって不思議な色を見せます。これが「長井小紫」です。

 昭和46年に日本花菖蒲協会から「花菖蒲大図譜」(朝日新聞社刊)が発刊されました。この図譜に掲載されている「長井小紫」は、長井のあやめ公園で植栽育成されている「長井小紫」と一致します。

 今が見ごろです。どちらも咲いていますので、ぜひ長井のあやめ公園でご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014.06.24:n-old:[あやめ]

長井古写真物語 79 山形縣一名所記念碑の裏

  • 長井古写真物語 79 山形縣一名所記念碑の裏

古写真から情報を読み取ります。長井の昔を楽しんでください。「長井市文教の杜」に保管している古写真のコレクションを紹介します。

 

 長井古写真物語67「あやめ公園長井町編4」で取り上げた山形縣一名所記念碑の裏について、紹介しましょう。縣一碑の詳細はカテゴリー「あやめ」の「山形縣一名所 記念碑物語」に記述していますが、かいつまんで言いますと、昭和5年に行われた山形新聞主催による人気投票で、見事長井のあやめ公園が県一に輝き、それを記念して建立されたものです。投票数は158,723票。ところが尾花沢市(現在の)の「天子塚」も同数の158,723票でした。数えなおしても変わりませんでした。当局が出した結論は、あやめ公園が名所県一に、天子塚が名所(古跡)県一としました。「天子塚は、その名のごとく佐渡の帝順徳院崩御の旧跡にして皇室との御因縁浅からず、これを単なる名所とするよりも、縣下一の古跡として別格推薦するを適切する」といった一致をみたようです。

 名所縣一銅標の贈呈式は、昭和5年8月12日に金田屋で催されました。この道標を表に記念碑として建立したわけです。そして、その裏には、関係者の名前が刻まれています。

 

 

右中ほどに小さく写りこんでいるのが、縣一碑。現在の北口から見た昭和5年の光景です。写真上部に「山形縣一賞 長井町あやめ公園 見頃六月下旬ヨリ七月中旬 種類約二千五百余 株数一万五千余」とあります。

 

あやめ橋西の築山から見た写真。池中の看板の左奥にあるのが縣一碑です。この場所は現在も変わりません。下の写真は現在のものです。銅標表と裏の銘板です。上記写真ではわかりずらいので、もう一枚。

 

 

 

当時の関係者が、以下のように記述されています。

町長 佐藤鶴吉  助役 横澤仲右衛門  助役 馬場直記  収入役 我妻善作  

町會議員 鈴木徳太郎 手塚庄三郎 桑嶋五郎 加藤嘉津馬 加藤久八 高橋庄吾 四釜清助 小林長兵衛 遠藤市松 齋藤與兵衛 長沼惣右衛門 立原和愛 大場久米次 今野文作 齊藤辰五郎 井上長太郎 長沼清藏 

有志  橋田榮助 新町同士會 役場吏員一同 新野辰太郎 芳賀作右衛門 高橋榮太郎 今野助作 春迺家 山形看護會 長沼清藏 後藤元助 昭和自動車会社 海老名喜兵衛 長沼志兵衛 長沼惣右衛門 金田家 黄金家 鈴木清助 井上榮七 渡部源内 風間五右衛門 加藤嘉一 森亍二 小林長兵衛 長井小学校職員 長井高等女學校職員 杉浦貞次郎 青木威夫 佐藤榮之助 後援者一同

 

(トップ写真は文教の杜コレクション「ガラス瓶」です)

 

 

 

2014.06.20:n-old:[歴史的建造物]