平成26年度「長井の心を育む推進事業」で公開した写真を取り上げる。
長井のまちには、その歴史の中で様々な建物があらわれては消えを繰り返してきた。現存しているものもあれば消えてしまったものもある。その時々の人々の暮らしを彩り、時代を形どってきた建物等を、大正3年・昭和9年の時間軸周辺でご覧いただく。
長井警察署の大正3年と昭和9年
大正3年の地図
大正3年の町勢要覧グラビアに掲載された写真。この初代警察庁舎は明治14年、大町摂取院入口、撞木橋の北に建てられたもので明治11年に建てられた「西置賜郡役所」の次に古い擬洋風建築物である。残念ながら、現在はない。庁舎手前に写っているのは撞木橋と上人松。三層造りで三階は望楼で警鐘台となっている。当時、最先端のハイカラな警察庁舎は長井の名物でもあった。大正9年までで、新庁舎は境町に移転新築となる。
敷地は東西14間、南北6間半、本庁舎一棟(間口5間・奥行5間の25坪)、外に留置場一棟、便所、掲示場、柵13間半、板塀19間半の構成だった。寄附で賄われ1967円であった。
昭和9年の地図
⑫が二代目長井警察庁舎。⑪両羽銀行の南側に。
二代目の長井警察庁舎。昭和9年の要覧グラビアに掲載されたもの。移転新築から15年後の写真。
この庁舎は、大正9年7月2日に起工、同年12月15日竣工、28日には移転完了している。敷地535坪は長井町が県に寄附し、建物は県で整備した。庁舎の建坪は121坪、ほかに署長官舎30坪、建築費は27,660円であった。