長井市文教の杜に保管されている古写真を紹介します。一枚の写真から情報を読み込みます。
昭和34年10月号の「長井市報」では「好評だった共同炊事」で取り上げられました。
「秋のとり入れ時には、猫の手も借りたいほど忙しい毎日が続きますが、この忙しい時期を合理的に働こうと豊田羽黒地区では、9月23日から2週間、共同で炊事を行い、地区民からたいへんよろこばれました。 羽黒地区は農家が35戸。一戸平均の田の面積は1ヘクタールという稲作の単作地帯です。 この共同炊事は、農繁期の炊事を共同で行い、それによって余った時間を作業にまわし、さらに栄養をおぎなって作業の増進と健康を保持しようというものです。 今回の共同炊事は、昼と夜の副食だけを行い、栄養指導には長井保健所の栄養士があたり、個人宅の炊事場を借りて調理を行って、配膳棚から各戸に配膳しました。 ある日の献立を見てみますと、昼はなすのしぎ焼、キャベツの塩もみ、夜はさんまのなんばん漬、みそ汁となっており、1日のカロリーは主食を入れて3千キロカロリーをこすという栄養ぶりで、地区民からたいへん好評をよびました。 同地区では今後、主食を含めた共同炊事を行いたいといっています」
記事内容ですが、掲載された写真と別に看板が保存されていました。取材した時のメニューの表示です。このように当日のまかないを周知していたのでしょう。地区民の結束も、自ずと高まる事も予想できますね。