新しいシリーズです。文教の杜に保管されている古写真を紹介します。一枚の写真から情報を読み込みます。当時のエネルギーを感じ取って下さい。
(協力:文教の杜、長井市史)
長井駅前 歓迎門
昭和10年に撮影された写真の一枚です。この中にも驚くような過去が隠れています。
1、「あやめ団子」の看板(右中) このころには、あやめ団子がありました。しかし、今のような形ではなく、まったくの別物のようでした。元祖としては、松屋さんがおみやげコンテストのようなイベントで優秀な成績をおさめたのが、「あやめ団子」でした。再現されれば面白いですね。
2、長井駅(奥) 現在の長井駅舎は昭和11年築ですから、写真の駅舎は大正3年築のものです。開業当時の駅舎はその後、大正14年3月に拡張し、大正15年には乗降所の上屋を建てています。
3、駅前道路 長井で初めて舗装された道路です。昭和8年6月4日です。道路脇に照明灯がありますが、「すずらん燈」と呼ばれ、舗装工事と同時に設置されました。
4、菊水館(中央) 大正12年にオープンした映画館です。
5、長井商工会(右・門の右) 長井商工会は、明治43年4月2日に結成されました。その後、法施行前に昭和30年4月16日創設、法施行後は昭和35年9月12日に発足しました。長井商工会議所となるのは、昭和50年の4月1日を待たなければなりません。
6、道路にセンターラインがない 初めて信号機が設置された場所は、中央十字路です。それも昭和37年9月1日。まだまだ車社会になるには年月を要しました。人は右、車は左。今は当然のことですが、昭和23年8月にGHQから勧告があり、その後、人も車も左から現在のようになりました。写真は昭和10年ですから、人が左側を歩いていることは、当時は正しかったのです。