長井まち歩き物語7 鍋屋本店

  • 長井まち歩き物語7 鍋屋本店
山形県長井市。それは、水と緑と花の奥座敷・・・・・
ゆっくりと まちなみに ふれてみませんか・・・・・
魅力あふれる 深い建物を醸し出す風景に 足を運んで下さい

(資料:長井市史、神奈川大学工学部建築学科 西和夫 長井市歴史建造物調査報告書、文教の杜・昭和11年長井町町要覧)




  鍋屋本店は、十日町で現在も荒物屋を営んでおり、街道に沿って店舗が建ち、その奥に主屋が直角に接続しています。
  店舗は、木造つし(屋根の下に作った物置場)二階建て、茅葺、平入、片側が寄棟、もう一方が切妻です。切妻の妻は漆喰塗り、反対側は荒土壁。棟に鉄板を被せ、正面二階部は窓に格子を見せます。聞き取りによれば「当初は農家だったが、明治6年の十日町の大火により全焼消失し、明治31年生まれの6代目が3つか4つの時に立て直した」とのこと。主屋の居間に、明治33年の年紀をもつ看板が掛けてあり、少なくともこの頃にはすでに建物があったことが確認されます。
  内部は、当初土間と畳で構成されていましたが、現在、畳はありません。天井は根太天井。東側は増築された倉庫、南側は主屋と繋がっています。現在、店舗と主屋は壁を隔てて直接繋がっていますが、もとは店舗と主屋の間には取次ぎがあり、その西側に2間ほどの中庭がありました。
  主屋は木造平屋建て、切妻造、茅葺、平入。煙出しがあります。棟にはトタンを被せ、軒は出し桁で支え、壁は漆喰塗り。
 この地域の典型的な間取りを知ることができること、屋根が茅葺であること、道路に面した立面も一部改変はありますが歴史的な雰囲気をよく伝えていること、年代が明らかなことなど貴重な存在であるといえます。
  平成20年5月7日、国の登録有形文化財となりました。
①主屋 木造平屋建、茅葺、建築面積は132㎡です。明治後期。
②店舗 木造平屋建、茅葺、建築面積は44㎡です。明治後期、昭和40年頃改修。



2013.10.07:n-old:[歴史的建造物]