長井まち歩き物語6  長沼合名会社

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山形県長井市。それは、水と緑と花の奥座敷・・・・・
ゆっくりと まちなみに ふれてみませんか・・・・・
魅力あふれる 深い建物を醸し出す風景に 足を運んで下さい

(資料:長井市史、神奈川大学工学部建築学科 西和夫 長井市歴史建造物調査報告書、文教の杜・昭和11年長井町町要覧)




 十日町地区にあり、敷地は1000坪以上の広さがある。主屋・作業場・前蔵・中蔵・内蔵・仕込み蔵・新蔵・付属倉庫・稲荷社が敷地に建ち、敷地内に水路があります。醸造業は大正5年から始められ現在も営われています。
 平成20年5月7日に国の登録有形文化財となりました。文化財としては六棟。
①仕込み蔵 土蔵造平屋建、鉄板葺、建築面積は142㎡です。大正期。
②新蔵 土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積は62㎡です。明治19年。
③前蔵 土蔵造平屋建、鉄板葺、建築面積は110㎡です。大正前期。
④中蔵 土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積117㎡です。大正期。
⑤店舗兼主屋 木造平屋建、鉄板葺、建築面積は149㎡です。天保9年(1838年)、昭和33年改修。
⑥内蔵 土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積40㎡です。江戸末期。

 主屋は、木造平屋建て、切妻屋根、平入、もとは茅葺でしたが現在は鉄板瓦棒葺。棟に煙出しがあります。道路側の妻壁は漆喰塗り、小壁も白漆喰塗り。建築年代は、主屋の上段の間の南釣束に打ち付けてあった祈祷札に「法世人 長誦以真言 天保九戊戌」とあり、天保9年(1838)であることがわかります。

  主屋

 多くの建物で構成され、この地域の屋敷の構成をよく示している。主屋の年代も明らかで、現在はトタンをかぶせていますが、茅葺の様相も残り、歴史的雰囲気を知ることができます。現在道路に面した部分は改修されていますが、古写真によって当初の姿も判明し、復原考察も可能です。誠に貴重な存在。中は見ることができません。



街道沿いにそびえ立つ煙突  ランドマークにもなっていたであろう


蔵のあおり戸

2013.10.04:n-old:[歴史的建造物]