食を通して、「面白い」「旨い」「好き」に溢れた山形/庄内を作りたいと思っています。食を楽しむ米シスト庄内は、「マズいと言わない」ことを大事にしています。渋谷の中心部に、存在した『セピアの庭で』という喫茶店。喧騒と喧伝に疲れた僕を、スポーツ新聞片手にゴールデンバットを燻らす爺さんが、ヤニまみれの歯をチラつかせながら、「いらっしゃい」と迎えてくれたのを思い出します。その爺さんがすっかり黄色くなった指先で粉をこすり、震える体で一滴一滴落とした珈琲は「口に合わなくても旨くて旨くてたまらない」逸品でした。
旨いマズいのその先にある「旨い」を手に入れたい。歴史を辿り、人柄を知り、想いに震えれば、ありとあらゆる食事は美味しくなってしまいます。沢山の面白人間で溢れる僕の山形が、もっと知られれば、もっと多くの「旨い」と「好き」が街に広がる。「旨い」飯を伝えながら、そんな山形を「上手く」作ってみたいものです。
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