私は大学から10年間を新潟で過ごし、ちょうど10年前に帰郷してこの仕事をしています。所謂「変わらないふるさと」という感覚を全く持たずに山形へ帰ってきました。それは、何気なく入った新潟のショップで、実家で作った若いデザイナーの商品に出会って感じた独特の感覚があったからだと思います。その品物は、間違いなくウチで作ったモノなのに新しい感じのマットでした。「変わらずにあるふるさと」からの新しい風は、懐かしいのに爽やかな印象でした。
そして、家業でいろんなことが出来そうだなと徐々に感じて、志を果たすべく帰郷。このことは、最近私の中で流行りの「ナラティブ」な物語です。私が体験した、私だけが感動した、私だけの物語です。
人のふるさとは、その人のココロの中にあり、自分だけがナレーターになれるふるさと物語をいっぱい持っているはずです。その「ふるさと」にちょっとだけ入り込めるモノづくりがしたい、そして10年後の各々のふるさとが素敵にあったらよいなあと思います。
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