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2009年への展望

 
 米沢興譲館高校では,年度末に生徒会誌を発行していますが,現部長のコメントが記載されていますので紹介させていただきます。

 私が伝統ある米沢興譲館剣道部に入部してから2年が過ぎようとしている。現在は男子13名女子4名の計17名で日々稽古している。稽古では真剣に打ち合い,指摘し合い,高め合っている。厳しい稽古のときも互いに声をかけ励ましあってきた。そして部員間に信頼が生まれ,恵子をしていないときは笑いが絶えず,仲の良い部になっている。
 3年生引退後,私たちは多くのことを学び成長してきた。新体制になってからも「県制覇」を目標に掲げ稽古をしている。はじめは,以前と比べどこかまとまりがないように思えた。だが,夏の合宿,新人戦を経て「勝ちたい」という思いが強くなり,各人が課題を持ち高い意識で稽古に励んでいる。
 夏の合宿では,それぞれ自分の目標を決めて臨んだ。どんな辛い時も,自分の目標を思い出し,互いに励ましあうことで乗り切った。特に合宿の山である区分稽古では,部員一人一人がOBの先輩方に全力で掛かっていった。何度も倒れ,腕が上がらなくなり,心が折れそうになった。しかし稽古をしている人と同様に他の部員は必死に応援し,その一言一言が励みとなり乗り切ることができた。精神的に大きく成長し,団結力が高まった。私は,仲間の応援が何程自分の力になっていることがわかり,目標に対する強い思いがあれば,どんなに苦しいときも自分に克つことができると思えるようになった。
 剣道は一対一の勝負である。団体戦では個人の勝敗がチームの勝敗に直結する。では,チームが負けたとき負けた人が敗因か?いや,違う。なでならば,一人が打たれた機会は,全員が稽古で見逃し,気を緩めている所だからだ。私たちは試合後の反省で改善点だけでなく,どのような稽古で改善していくかを考えている。自分では気づかない点や捉え方の異なる点が反省として出されるときもある。これらの反省を稽古内容にも反映させ,各々が工夫し稽古している。
 私たちが「県制覇」を成し遂げるためには何が必要か?一つは稽古の質の向上だ。そのためには,稽古の目的を考え,自分の課題を明確にし,工夫することが大切だ。全力で打突しても,何も考えず工夫のない稽古であってはならない。そして,どんなに小さいことでも突き詰め,互いに教え合っていきたい。また,剣道には文武両道等,人格形成の目的があり,剣道以外の場面での自分への厳しさが求められる。剣道では,技術向上より,むしろ生活や礼儀といった人としてどうであるかということが大切である。私達はこの点において甘さが見られる。まずはこの甘さをなくすべきだ。
 そして,忘れてはならないことは,多くの方々の支えがあって,日々稽古できているということだ。忙しい中,私達のために稽古に来てくださる先生方,OBの先輩方がいる。私達は,とても恵まれた環境にいるのだ。このことに感謝する心を持ち,人としても成長し,興譲館の伝統である正しい剣道を目指して,精一杯努力していこうと思う。
2009.02.27:mugakukai:

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