医療法人社団聰明会 みゆき整形外科クリニック

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あけましておめでとうございます。昨年12月2日でみゆき整形外科クリニックは、開業17年目となり、介護老人保健施設白鷹あゆみの園は今年で10周年になります。これもひとえに皆様方のご支援の賜物と御礼申し上げます。
白鷹町でもこの10年で高齢化がどんどん進み、65歳以上の人口が30%を超えてしまいました。この間、国は医療介護制度をめまぐるしく改定?し、超高齢化に対応しようとしてきました。しかし、それは人口の多い都市部で十分に機能する制度でした。人的資源がない、インフラの整備の十分でない白鷹町のような地方にとっては、体制を整える努力をするのが精いっぱいで、全国一律に施設基準を押し付ける国の制度の前に、私は重税を押し付けられて苦しんだ江戸時代の百姓のような気分を味わされてきました。
医師も看護師も足りない地域で都会なみの人的配置をしろと言っても初めから無理な話です。最近は東日本大震災の復興需要によって人手がとられ、ケアワーカーもなかなか集まりません。また、山形大学医学部の卒業生で、山形に残るのは毎年50%もいないという現実があります。山形県で卒業する看護師も50%も残りません。皆都会に行ってしまう。テレビでは毎日東京のいろいろなグルメや、お店、プレイスポットの話題を提供し、東京の魅力を溢れるくらいに伝えている。これでは若い人は皆東京に行きたがるのも無理はない話です。ちょっと前に地方の時代なんて言っていたのは絵空事に過ぎないのです。このままでは山形県全体が限界集落になっていくでしょう。
そうは言っても、先行き暗いこの時代に私たちはこの地で生きていかなければなりません。私もこの地で生きる決意をしています。国は「在宅、在宅」と言って病院、施設から強引に老人を家に帰そうとしています。インフラが整えられない白鷹町のような地方では老人を家で介護できません。自分たちの生活で手いっぱいなのです。家の中で年老いた人を飼い殺しのように一つの部屋に閉じ込めていた明治大正時代までの日本の農村のような状態が再現されるだけです。
新年にあたって私は、病院以外はすべて「在宅」と考えようという事を提案したいと思います。介護老人保健施設も特別養護老人ホームも、ケアハウスもグループホームもすべて「在宅」と考えるのです。
そうであれば、面倒見てくれる人がいないにもかかわらず、「在宅」という名のもとに必ず家に帰らなくてはならないという事はなくなります。施設の温かい室内で、3度3度食事が提供され、食住が満たされ、一人ではできないことをやってもらえる。いろいろな人との交流も図れる。東北の伝統の民家のような冷たく寒い家に震えながら一人で一日を過ごすこともなくなる。いい事ばかりではないですか。仏様を守っていかなくてはならないのなら仏壇を施設の部屋に持ってくればいい。国の進める「在宅」は、地方にとっては、昔の姥捨てと同じ事になる場合が多いのです。施設を家にしましょう。
私はこの考えで、介護老人保健施設白鷹あゆみの園でも小規模特別養護老人ホームマイスカイ中山でも、家庭で過ごすように生活していただけるよう職員の指導と施設の整備をしていきたいと思っております。今年もどんどん私たちの「家」に来て暮らして下さい。
最後になりましたが、今年もよろしくお願い申し上げます。

2014.01.01:miyuki-cl:count(2,793):[メモ/コンテンツ]
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