生活クラブやまがた―石巻 高橋徳治商店 高橋社長のお話

先日ご案内した石巻の高橋徳治商店の学習会が開かれました。

~こだわり練りものを食べて高橋さんに石巻の話を聞こう~

震災で大きな被害を受けた高橋徳治商店。
さまざまな困難を乗り越えて事業を再開したこれまでのお話を
お聞きしました。

百人いれば百通りの3.11があるとおっしゃる高橋社長。
あの震災から工場が再開するまでのお話をじっくりうかがいました。

・工場の2階まで津波が来たこと
・一晩寒さに耐え情報もない中過ごした
・次の日の朝日のありがたかったこと
・自衛隊が来たがヘリが下りられなかった
・避難所で過ごした三日目にやっと家族におにぎり1ヶ、水はペットボトルのキャップ一杯だけもらえた
・三日目でも石巻市内の水が引かずボートで移動していた
・今までの人のつながりがあっておにぎりを食べることができた

避難所では高橋社長がリーダー役をされて、赤ちゃんやお年寄りのいる避難所をどうやってまとめたのかもお話くださいました。


そして悲惨な話もお聞きしました。
会場のみなさんの目には涙が。

津波が来たとき、幼い娘の手を離してしまったお母さん
中に人が閉じ込められたまま、沈んでいく車
一度は助けたその手を離してしまった人

高橋社長が遺体安置所に従業員の方を探しに行ったときのこと・・・

生き残った人は
自分が生きてしまった負い目や
助けられなかったという苦しみを抱えながら生きている。


私たちは高橋社長のお話から想像するしかないのですが、
それでも胸が苦しくなりました。

そして、高橋社長はこうおっしゃられました。

「震災を体験していない人にどう伝えるか考えている。
私は ただ悲惨さを伝えるだけでなく、
こういった状況から何を学ぶかが大切だと思う。
自分の感情を入れずに震災の語りべとして事実を伝えていくこと。
そして、そこからそれぞれが感じ取って学んで変わっていかなければ、
亡くなった人がおもしろくないはず。」


工場が被害を受け 2億円もの在庫が流され
水道も復旧しない中で 毎日ヘドロの片づけをし
工場を再開できるまでに頑張られたのだなと
それはそれは大変なご苦労があったことを知りました。


高橋徳治商店の製造ラインが一部復活したことにより、地元に仕事をもたらした。
ダンボール、電気、ガス、パッケージ・・・
「仕事があるっていいね、お金じゃない」

そして「私たちに明日をくれたのは支援だった」と。
・生活クラブは各地からいち早く物資をトラックで届けてくれた。
・生活クラブやまがたが関わっている「ボランティア山形」もすぐに駆けつけ
さまざまな要望をきいてくれ、それに一生懸命応えてくれた。

正直、震災前は生活クラブはヘンな生協だと思っていたが
震災後は社会的な問題から目を背けず、自分で考えて行動できる生協であると思った。

生活クラブとは、みんなで出来ることや何が大切かを考えてやるという思いが強い生協である。
今はあまりにも使い捨ての時代であるが、全てのものには作り手の心がある。
それを大切にしているのが生活クラブである。

と、私もうれしくなる お言葉でした。


そしてさらに高橋社長のメッセージは続きます。


何かしたいけど、何をしたらいいのかわからない人は
もっと考えてください。
肌で感じてください。

私たちがうれしいことは
・わかってもらえたということ
・忘れられていないんだということ
・仲間がいるんだということ 

暗い話ということばで片付けないで欲しい。
私たちにとっては現実そのものなのだ。
そこで立ち上がって生きるしかない人がいる。
向き合って生きなきゃいけないんです。


まだまだ社会問題はある。
・瓦礫がまだそのままである
・石巻では自殺者が多い
・イライラがつのり家庭内暴力→子どもの居場所がない

「子どもは未来」
明日があるということは未来があるということ。
未来があるのは幸せなこと。


高橋社長のひとこと ひとことが
わたしの胸に突き刺さりました。


生活クラブの一組合員として、
これからもこのような社会問題をどう解決したらいいのか
どのような支援が必要なのか
考えて行動し続けなければならないと強く感じました。


最後に高橋社長がおっしゃった言葉
「誰かのために何かしたいと思う想いが強ければ、
目の前の壁は越えられる。
想いが弱いから越えられない。」

わたしの心に深く残りました。

私たち生活クラブやまがたも思いを強く持ち続け、
安心・安全な食のためだけでなく、
社会で日の当たらない部分にまで目を向け、
誰もが暮らしやすい社会にするために活動していく必要があると感じました。


高橋徳治商店の練り物をみんなで買い支えていきましょう!
※地元での漁は解禁になっていますが、放射能汚染の心配があるため高橋社長は無責任なことはできないと、現在は長崎や北海道などから原料の魚を仕入れています。それによって仕上がりの味が変わってしまうため、試行錯誤の苦労をされて製造してくださっています。


あらー、練り物試食してみたいわ!
高橋社長にお会いしてみたいわ!というアナタ
そんな機会があるのですよー。

■生活クラブやまがた50周年事業<スマイル50>『大試食会』■
  【食べる・つながる・スマイルフェスタ】

日時:2012年10月20日(土)11:00~14:00
場所:山形国際交流プラザ 山形ビッグウイング
入場料:小学生以上100円(東日本大震災被災地への支援金へカンパとなります)
持ち物:箸、皿
内容:50生産者による食の祭典。試食を通じて自慢の消費材の紹介をします


ぜひお越しくださいね~(*^_^*)
わたしは、高橋徳治商店と野川食品のブースにいますよん♪


市販の練り物との違いは高橋徳治商店さんのHPにわかりやすく書いてありますのでぜひ、ご覧ください→http://www.mamac.jp/additives.html

コチラも合わせてどうぞ
高橋徳治商店 社長の徒然日記→http://mamac.jugem.jp/
2012.07.08:菓樹mama:[◎生活クラブやまがた~運営委員]