生活クラブやまがたの主催で
アルケッチャーノ(鶴岡市)のシェフである奥田政行さんの講演会がありました。
『よみがえりのレシピ』の映画を見たこともあって、ぜひお話を聞きたくて仕事を抜け出し行ってまいりました。
奥田さんの料理の考え方は
新鮮なものを新鮮なうちにスピーディーに 酵素と一緒にとって、身体にいいものを食べる
というもの。
新鮮なものには調味料はいらないのだ。
アルケッチャーノではレシピどうりに作らない、それは素材の大元を知っているからだそう。
その素材の大元についても色んな食材を取り上げて具体的に教えてくださいました。
そしてそれらの選び方、それぞれに合う他の素材など詳しくていねいにお話しくださいました。
料理とは『命を鎮めて、食べやすいようにカットして、最適な料理方法を選択すること』とのこと。
四種類の料理も実演してくださったのですが、本当に簡単でシンプル。
料理ってあれこれ深く考えず、素材そのもののおいしさを生かせば ちょっと手を加えるだけでいいんだなって思った。
『料理はカンタン』という奥田さんの言葉の意味がわかった。
お母さんの料理はなぜおいしいか?それは家族の気持ちを考えて献立を組むから。
食べ物には魔力がある
同じ味を楽しんで共感することが しつけに役立つ
食べることは第六感の入り口であり扉である
未来に繋がって、宇宙観が生まれる ・・・
心に残る言葉がたくさんありました。
素材や料理のお話から、奥田さんの人間的魅力が滲み出ていました。
例えば、素材にあった調理法を考えるときに
奥田さんはその素材を生のまま口に入れる。
初めに感じた味や食感、噛んでいくとだんだん出てくる味、
素材の味の良いところと そうではないところをすべてていねいに感じ取る。
そいうしているうちにその素材がいとおしくて好きになる。
そして、良いところとそうでないところをぜんぶひっくるめて受け入れると「愛」が生まれてくるのだと。その愛をもって、調理法を考えるそうだ。
これには人もそうではないかと私は思った。
人間には誰だって良いところとそうではないところがある。(見方によっては短所も長所だが)
自分の嫌いなところがあっても、向き合ってすべて認めて受け入れたとき 自己肯定が生まれ自分を愛することができる。
きっと誰かを心から愛しているとき、 いいところもそうでないところもまるごと受け入れているはず。
なんか似ているなぁと感じた。
他におっしゃっていたのは、合わない素材同士をおいしく合わせるには、まずそれぞれに合うものを思い浮かべて共通するものを使って料理するということだ。
これも人間に当てはまる。
相性が合わない人間同士でも 二人に共通する誰かがいることで、仲良くなれたりするものである。
奥田さんの素材を愛する気持ちから、人に対しての愛情と同じものを感じた。
だから奥田さんが ぷらっとほーむ(http://www11.plala.or.jp/plathome/)を応援してくださっているのだなと納得できた。
どういう人(自分)であっても その人(自分)そのものありのままをまるごと受け入れる。
そしてその人(自分)の持ち味を生かして最適に生きること。
そんな生き方が素晴らしいのだと思えるような奥田さんのお話でした。
人間味にあふれる奥田さんならではの、決して他では聞くことのできない素晴らしい講演会だったと思います。
調味料をあれこれたくさん使ったり、派手な盛り付けなんかいらないんだなぁ。
私たち人間も 地位だの名誉だの財産だとか、きれいに着飾ったり高価なものを身につけることなんかより、自分独自の持ち味に自信を持ってシンプルに「わたし」を生きていきたいものであると感じさせられた。
この記事へのコメントはこちら