まんず787|FM One(エフエムワン) えふえむ花巻
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5/14 ちょっぴり謙虚な哲子の部屋〜東和・小桜屋〜
戦後間もない昭和22年9月も末のある昼下がり
東和町土沢の「小桜屋」に面長な顔に眼鏡をかけ痩せ型でがっちりした
一人の客が見えた。
「お宅さんは鮎や川魚料理のお店と聞いて来ましたが、今ありますか?」
と店主小原孫一さんは問われた。
・・・
大型で卵の入った1匹300グラムほどの鮎を塩焼きにして差し上げることとなった。
差し出した鮎をみて
「やあ!この鮎の味は大したものだ。
私もあちこち鮎を食べて歩きますが、
こんな大きく味の良い鮎は初めてです。
ところでお酒はお願いできませんか?」
とのご注文。
・・・・
客もほろ酔機嫌と相成った。
ところがこの客人に
「此の卓に記念して何か讃して上げましょうか」
と意表を突かれ、お願いしましょうと娘の筆と硯を差し出した。
自ら墨をすり「山静如太古」と認め、
左に自分の讃を書かれた。
客人は更に
「此の字を彫って上げましょう。
先の尖った刃物を貸して下さい。」
ということになり、うなぎ包丁、出刃庖丁、小出刃の
3丁を差し出したら
「アアこれが手頃です。
この小出刃の先を研いで下さい。」と頼まれ早速研いで渡した。
「山」から手早に彫り始め、鉛筆を削ったくずのようなくずを吹きさり
全部彫り終わり、また墨をすりなおして彫った字体に点墨し、
はみ出た墨はぬれ雑巾でふきとり
「之で終わりました。
この卓は2日位使わないで下さい。
しみ込んだ墨が一旦乾くと、あとはぬれ雑巾かけても消えません。
30年や50年はもちますよ。」とのご託宣。
・・・
続く・・・
昭和50年発行 東和分会新聞
長くなりました。
今回は花巻市東和町にある「小桜屋」の奥様
小原さおりさんにお話しを伺いました。
そして、上記新聞に出てくる客人、とは、高村光太郎のことです〜〜〜。
ご存知でした?・・・よね?(^^)
お店の2階のお座敷に、ガラスケースに入った卓があります。
ご興味あるかたは小桜屋さんへどうぞ♪
夜の宴会だけではなく、ランチも営業しています。
オススメはコザクラヤラーメン、カレーライスなど。
もちろん、川魚やウナギもありますよ!!!
代々継がれてきたウナギのタレ・・・おいしいんですよぉ。
小桜屋
東和町土沢5−131
電話 0198−42−3435
取材のご協力ありがとうございました!
☆うめむら☆
2012.05.14:
ume☆
:count(953):[
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