初めてのたこ焼きの夜。

7月になると、各町内で夏祭りやお盆過ぎには盆踊りが始まります。
現在ではそういう小さなお祭りでは町内会の夫人部や育成部などが売店を出すことが多いようです。
その昔はどの祭りにもその規模に応じて、何人かの香具師が店を出していました。どんなところにもあったのは綿飴屋で、これは必ず買ってもらうものでした。

歩いて15分ほどの常信庵のお祭りは、小さいながらも結構露店が並んでいました。
そのなかにたこ焼きという暖簾がありました。たこ焼きという言葉自体がはじめてのもので、焼いているものを見るとまるで蛸ではなく、小麦粉で焼いた丸いボール状のものです。不思議なものがあるものだと買ってみました。

なんと、ボールのなかにはてんかすや紅しょうが、青海苔はありましたが、肝心の蛸の切れ端は入っていませんでした。なぜこの丸いのがたこ焼きなのか分かるのは、その後どこかで食べた『蛸の入っている』たこ焼きを食べた時です。

大沼のたこ焼きが始まる、少し前の話だと思います。
2009.08.11:mameichi:[昭和元禄商売絵巻]