今年の夏でシャープが解散することになりました。日本のフルバンドでも最高峰といってもいいでしょう。長い歴史のあるバンドで、解散コンサートが開かれるのはめったにないことだと思います。
私の持っているレコードで見砂直照と東京キューバン・ボーイズ解散記念コンサートの実況録音があります。場所は新宿厚生年金会館、その中に#&♭がゲストで出ており、リーダーの原さんはこんなことを話していたと思います。
「いやぁ、見砂さん、よかったですねぇー。いや、やめるのがよかったというのではなく、世界でもバンドリーダーの末路というものは大概悲惨なものですよね。でも見砂さんはこうやってファイナルを迎えることができた。これはすばらしいことだと思うのです。ー」
まあ、大体こんなことを話されていたと思います。
このコンサートのときから、多分原さんは今日のことを考えていたのではなかったかと思うのです。ギタリストの息子さんもいらっしゃるので、継続も可能であったと思いますが、やはり美学優先という感じがします。
ノーチェ・クバーナ、ブルー・スカイ、ニュー・ハードなんかは本人がいなくとも継続していますし。
そして、原さんは最後にベストのバンドにするべく、今までやってきた人と往年のメンバーとの交換をしました。この辺が原さんの凄いところで、通常の人は今まで頑張ってきたんだから、なんて甘っちょろいことになるのですが。
原さんが言うように、アメリカの偉大なバンドリーダー、たとえばライオネル・ハンプトン、ウディ・ハーマンなどは80歳を超えてなおバンドを維持し続けていましたが、本人の具合が悪くなったとき、スイング・ジャーナルに金がなくて困っているので寄付金を募っております、などという告知が掲載されるのです。
そういう意味では、原信夫はプロだなぁ、と徹子の部屋のインタビューを見ながら思いました。
写真は店にセットしたレコードの数々です。#&♭はあったかなぁーー?
