ここ数年住宅の基礎は、べた基礎が主流に成りつつありますが、それと併せて
床下の湿気対策として防湿シート(フィルム)を敷く工法も多くの
メーカー・ビルダー等で行われています。
![](http://samidare.jp/m-seino/box/S1.jpg)
防湿シート敷きは、床下の土台・大引きと言った床組部分を乾燥した状態に
保ち材の腐朽や蟻害を防ぐ為の防湿対策の一つとして施工されています。
ではどの様な工事内容で行われているのでしょうか
参考までに住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の技術基準は下記の内容です。
・床下全面に厚さ0.1mm以上の防湿フィルムを敷きつめる。なお、防湿フィルムの
重ね幅は300mm以上とし、防湿フィルムの全面をコンクリート又は乾燥した砂等で
押さえる、押さえの厚さは50mm以上とする。
【鉄筋コンクリート造のべた基礎(厚さは100mm以上で防湿コンクリート
を兼ねる)とする場合は、防湿フィルムの施工は、しなくても良いとしていま。】
上記の仕様は、基礎外断熱の場合で一般の基礎より厳しい仕様になっています。
(基礎断熱の場合は、気密性が高く床下が高湿な状態になりやすいため)
業界の中には、べた基礎の防湿シート敷きはおまけ的要素であまり効果が無い
と言う方もいらっしゃいます。
確かに上記の技術基準では、べた基礎の場合施工しなくても良いとしていますし
基礎断熱ではなく一般基礎で床下した換気口等によりしっかり換気していれば良い
とは思いますが(敷地の条件にもよります)・・・・・
防湿シートの透湿抵抗値は、コンクリートの比ではありません。
よってしっかり施工されれば、高い防湿効果が得られるはずです。
(べた基礎と防湿シートによる二重の防湿対策とPRしているメーカーもありま。)
しかし仕様や施工上の問題で、きちんと施工されていない場合もあるので
ただのおまけ的にしか見られないのだと思います。
では、仕様の問題・施工上の留意点とはどんなことでしょう。
仕様については、シート(フィルム)の厚み強度です。
支援機構の仕様は0.1mm以上となっていますがそのぎりぎりの0.1mmと言うのは、
非常に薄く軽く弱い為シートを敷きこんだ後の鉄筋工事等の施工を行う際に
相当慎重に作業を行わないとシートが破れたり重ねの部分のめくれなどで
防湿性能を低下させてしまいます。悪くするとシートが、くしゃくしゃになった
ままコンクリートを打設してコンクリートの厚さや一体化に弊害が出る
可能性も有ります。
![](http://samidare.jp/m-seino/box/A5.jpg)
又、施工上の留意点は、給排水設備等の配管工事を行う際に防湿シートを貫通して
配管してしまい破れたままコンクリートを打設してしまうと言うことです。
これもまた良くありません。テープなどで処理をする必要があります。
なるべくなら、そうした配管は避けるべきでしょう。
0.15mmを使用する方もいらっしゃいますがこの厚みでも少し頼りない気がします。
(歩くだけでは破れませんが・・・・・)
弊社では、しっかりした強度と重さの0.2mmの仕様にしています。
重ねは当然300㎜以上とし社内検査実施時にしっかりチェックを行い破れが
あった場合は、テープ等で処理を行います。
配管工事においても、シートを貫通する施工を極力避ける工法を採用しています。
*0.2㎜の防湿フィルムは以前の次世代省エネの気密仕様でⅠ、Ⅱ地域
(C値=2以下)の厳しい基準で採用されておりより、しっかりした性能を
確保できるものです。
ちなみにⅠ・Ⅱ地域以外(C値=5以下)の仕様は0.1㎜です。
何度も申し上げますが防湿シートを敷きこんだ後にその上で作業を行いますから
しっかりした強度のものが必要ですし作業後のチェックも大切です。
弊社では、より高い防湿効果を得られる仕様と施工で対応しております。
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