先日、何もいつもと変わらないマイペースなリズムで晩酌を開始した途端に、携帯電話がなりました。
Kさん:「もしもし。Kと申しますが、今電話よろしいですか?」
佐藤:「大丈夫ですよ。どうされましたか?(大変失礼なのですが、実は、KさんてどちらのKさんなのかこの時点ではわかっていません。)」
Kさん:「本当に、いろいろ相談に乗っていただきありがとうございます。実は就職が決まりました。どうしても佐藤さんにはお礼を申し上げたくて!」
佐藤:「そうですか!おめでとうございます!よかったですねぇ~!(実は、まだわかっていません)」
Kさん:「家内とも相談して、結局佐藤さんからいただいた情報ではなく、もう一方のお声がけに対して頑張ってみることになったんです。今の会社も円満に退社することになりました。」
佐藤:「奥様ともきちんと相談された上での意思決定なのですね。私ども目的は皆様の幸せです。お気になさらないでくださいね。(ここまで言ってるのに・・・実はまだ・・)」
Kさん:「いやいや本当に感謝しています・・・突然すみませんでした・・ごめんください。」
佐藤:「こちらこそご丁寧なご連絡。ありがとうございます・・・・・・・あっ!(電話切れる)」
結局、KさんがどのKさんなのかがわかったのは最後の最後、電話が切れる瞬間でした。
あまりにも調子良すぎで無責任な自分と、どんどん思い出すまでの時間が長くなる事への自己嫌悪に陥った私ですが、同時に何故ここまで感謝されるのかが理解できず、かなりの間、考え込んでしまいました。
「私は、何もしていない・・・」
何故って、Kさんとは2回しか話をしていません。
しかも電話で。
延べ30分~40分ぐらいです。
Kさんと標記していますが、漢字でどう書くのかも存じ上げないのです。
Kさんとは、ある求人案件が出てきたときに「こんな人がいるよ。求人に興味があるかどうか電話してみたら。」と知人から紹介をうけて出会いました。
私は当然「求人ありき」で電話したのですが、「Kさんは2~3年後はどのように考えていらっしゃるのですか?」
という一つの質問をキッカケに、「そうなんですよね・・・1年後には現在の会社の契約も切れますし、その後のことも主体的にきちんと考えたいと思っていたんです・・・・などなど・・」
出てくる出てくる。。。これまで誰にも相談できなかったこと。
最終的には、Kさんがこれまでお世話になった会社にきちんとけじめをつけなければ前には進めないこと。
そして、その時期は、奥さんともご相談されて慎重に決定しますとのこと。
とても誠実な方という印象でしたので、ほとんど求人のことなど話さずに後はKさんからの連絡待ちという状態で電話を切りました。
その後、しばらくしての電話では、「面白いものですね・・転職のことをきちんと考えたいと思ったとたんに、お世話になった先輩からも『うちの会社に来ないか!?』というお誘いの連絡をいただきました。」という連絡です。
その際も、「よかったですね!奥さんともきちんと相談されると良いと思います。」という程度の会話だったと思います。
この一連のことで気づいたこと。
Kさんは、きっと「転職」のことをずっと考えていたのだと思います。
そこにたまたま私が電話をして、初めて相談できる相手をみつけて話をしているうちに、それまで考えていたことが整理されて行動できるようになった。
もともと、誠実な方なので人脈も多く情報も集まりやすい。
これぞ、私の目指したいキャリアカウンセリングであるということです!
このことをキャリアクリエイトで報告しました。
そこで話になったこと。
「われわれが、『いいアドバイスが出来た。伝えたいことを伝えきった。』という満足感を抱くことと、キャンディデイトの満足感は比例しない。」
電話が切れてしまったけど、本当はKさんに申し上げるべきだった言葉。
「こちらこそ、勉強させていただきました!Kさんなら新たな職場でもきっとすぐに要人になってしまうことでしょう。頑張ってください!」
文:佐藤広一
【転職あれこれ】大事なことを気づかせてくれた感謝の言葉
2011.03.02:kouichi:[転職あれこれ]
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