日本中のいたるところに見られる杉林。
戦後植林され、成熟してきた人工林です。
一方、家具やフローリング、ウッドデッキなどに使われる
硬くて腐朽に強い木材は、主に広葉樹です。
チーク、ウォールナット、マホガニーなど、人気の木材は
世界中で過伐が問題となっているようです。
この木材資源の枯渇対策に画期的な方法が開発されたそうです。
カナダのシュナイダー教授が発明した、『ケボニー化』。
ソフトウッドをハードウッドの材質に変える技術で、
サトウキビやトウモロコシなどの農業廃棄物から抽出した
物質を針葉樹材に加圧加熱しながら含浸させ、柔らかい針葉樹の
細胞壁に浸み込ませると重合して、木質成分のひとつ、
ヘミセルロースが増えたような状態になり、広葉樹材のような
硬い材質になるのだそうです。
比重は何十%も高くなり、曲げ強度も上がり、寸法安定性が増し、
何よりも腐朽や摩耗に強くなるとのことです。
数年前からノルウェーで製造、市販され、いくつかのパイン材をケボニー化して
ウッドデッキや屋根、桟橋にも利用されているようです。
トップの写真は、ケボニー化したラジアータパインで造られた建物。
ギターやカトラリーなどの食器類にも使われ、品質の30年保証まで
ついているそうです。
ケボニー材は色が濃く重厚な雰囲気となり、手触りは木材そのもの。
廃棄後もリサイクルでき、成分に重金属や石油由来のものは含まず、
ノルウェーのエコラベルも取得しているとのこと。
スギ材をケボニー化する試験をしたところ、パイン材よりも
優秀な成績が出たということで、近い将来、無垢のスギ材から
家具や内装・外構材、大スパンの建築物などが生まれる日が
来るのも近いのでは?!と、考えさせられる記事でした。
(内容は『針葉樹が広葉樹材に化ける!これは林業イノベーションだ(田中淳夫氏)』
記事の中から抜粋させて頂きました。<(_ _)>)
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